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ブランドやメーカーが顧客・取引先向けに開催するイベントには、「展示会」のほかに「受注会」があります。
いずれも顧客や取引先を集めて行う点は共通していますが、その目的は大きく異なります。受注会は、会期中に注文を受け付け、売上につなげることを主目的としたイベントです。展示会と同じ感覚で企画してしまうと、「来場者は集まったのに売上につながらない」という事態に陥りかねません。
本記事では、受注会について詳しく解説します。
展示会との違いや開催のメリット、必要となる業務、そして成功のために押さえておきたい5つのポイントを確認していきましょう。
また、受注会では実際に商品と代金のやり取りが発生します。それぞれがどのタイミングで行われるのかについても、本記事で解説します。
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INDEX
受注会とはどのようなイベントか
受注会とは、商品やサンプルを紹介し、来場者や取引先から注文を受け付ける販売イベントです。会場での対面開催だけでなく、Webカタログなどを用いたオンライン開催もあります。
多くのブランドやメーカーが顧客や取引先を招いて自社開催の受注会を実施し、販売に注力したい商品を実際に見てもらいながら、まとまった受注の獲得と取引関係の強化につなげています。
たとえばアパレルでは、次シーズンに投入する商品を並べ、来場者が実際に着用できる試着スペースを設けるケースがあります。ただし、発売前のアイテムを扱う場合は、会場に置かれているのがサンプルのみ、あるいは商品の展示自体がないケースもあります。この場合、顧客は気に入った商品をその日のうちに持ち帰ることはできません。
一方、すでに生産済みの商品を扱う受注会では、在庫がある分について当日その場で引き渡すケースもあります。何を扱うかによって運用は変わるため、開催前に「当日引き渡しの有無」を明確にし、案内時に伝えておきましょう。
受注会の主な目的は、その名のとおり商品の受注です。
加えて、来場者の反応から顧客ニーズを把握すること、集まった受注データをもとにシーズン中の売上を予測することも、開催の重要な目的に挙げられます。
受注会を開催する業界
受注会は、アパレル、雑貨、家具、ジュエリーなど、シーズンやトレンドによって売れ筋が変わる業界で活用されています。
アパレルはトレンドの移り変わりが速く、前シーズンの売れ筋でも、次のシーズンには動きが鈍ることがあります。そのため、ブランドやメーカーは受注会を活用し、需要を見極めたうえで生産計画を立てています。
雑貨や家具、ジュエリーといった業界でも、受注会は活用されています。いずれも、シーズンやトレンドによって売れ筋が変わりやすく、事前に受注量を把握してから生産・仕入れを行うメリットが大きい商材です。
招待制の受注会が多い理由
受注会は、既存顧客や取引先、販売代理店、バイヤーなどに対象を絞り込んで開催されるケースが多く見られます。そのため、「招待制」や「事前予約制」を採用する受注会も少なくありません。なかには、受注会を開催すること自体を公表しないケースもあります。
対象を限定するのには理由があります。
受注会では、発売前の新商品やサンプルを扱うことがあります。情報が競合他社に漏れるリスクを抑える必要があるうえ、限られた時間のなかで実際に発注してくれる相手とじっくり商談する方が、成果につながりやすいためです。冷やかしの来場者が増えれば、本来注力すべき取引先への対応が手薄になりかねません。
ただし、すべての受注会が招待制・予約制というわけではありません。Web上で開催情報を公開し、申し込みなしで誰でも入場できる受注会を実施する店舗やブランドもあります。
展示会と受注会の違い
展示会と受注会は、名称だけで明確に区分できるものではなく、主催者や業界によって目的や運営方法が異なります。本記事では、両者の違いを開催時の主目的で整理します。
展示会は、新商品・ブランド・サービスの認知拡大や、見込み顧客との接点づくり、商談機会の創出などを目的に開催されます。展示会でも受注や契約を目指す場合があり、必ずしも周知だけが目的ではありません。
これに対して受注会は、会期中に注文を受け付けることを中心に設計されるイベントです。
商品やサンプル、カタログなどを発注の判断材料として提示し、来場者や取引先がその場または会期中に注文できるようにします。
対象者にも傾向の違いがあります。展示会は幅広い来場者を対象とすることがある一方、受注会は実際に発注する見込みのある相手を招待して開催するケースが多く見られます。
同じ「イベント」でも、目指すゴールが異なる以上、企画も運営方法も変わってきます。
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受注会の開催で得られる6つのメリット
受注会の開催は、企業にさまざまなメリットをもたらします。
ここでは代表的な6つを取り上げ、それぞれがどのような効果につながるのかを解説します。
①まとまった注文を獲得できる
受注会は、限られた日数のなかで集中的に注文を受け付けるイベントです。
通常の営業活動と比べ、多くの顧客や取引先からまとまった数量の注文を得られます。短期間でまとまった受注を確保し、将来の売上につなげやすい点は、受注会の最も分かりやすいメリットといえるでしょう。
②在庫リスクを軽減できる
受注会を開催すれば、在庫を持たず、注文を受けてから生産する「受注生産」の形をとることも可能です。受注生産は売れ残りが発生しにくいため、在庫リスクを大幅に抑えられます。
売れ残り在庫を処分するための値下げを減らしやすい点も見逃せません。シーズン当初から適正な価格を維持できるため、バイヤーにとっても仕入れやすい条件を提示できます。
③多種多様なSKUに対応できる
アパレルをはじめ、1つのアイテムに多数のSKU(色・サイズなどで区別する在庫管理上の最小単位)が存在する商材は少なくありません。
色やサイズをすべて揃えて店頭に並べることは、スペースの面でも在庫コストの面でも現実的ではないでしょう。人気のSKUは早々に完売するため、「デザインは気に入ったのに、自分のサイズがない」という理由で販売機会を逃してしまうこともあります。
受注会を活用すれば、卸売・小売の意向や市場の傾向を「SKUごとの注文数」という具体的な数字で把握できます。注文を受けてから生産できるため、あらかじめ在庫を抱えることなく幅広いSKUを提案できます。
売れ残りと売り逃しの両方を抑えやすい点は、在庫を持つ企業にとって大きなメリットといえるでしょう。
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④イメージ違いによるトラブルを防げる
会場に商品やサンプルを用意することで、来場者はその場で現物を手に取り、色味や質感、素材感といった、写真やカタログでは伝わりにくい要素を直接確かめられます。
結果として、納品後に「現物がイメージと違った」というクレームや返品が発生しにくくなります。取引先との信頼関係を保つうえでも、大きな意味を持つメリットです。
⑤顧客の意見をダイレクトに受け取れる
商品に対する顧客の生の声を直接聞けることも、受注会ならではの価値です。
来場者は現物を見たうえで、「この商品は早期に完売しそう」「これはセール時でも残っていそう」といった率直な見立てを語ってくれます。
こうした意見を集約すれば、販売見込みの精度を高められるだけでなく、商品構成や販売戦略の見直しにも活かせます。市場に近いバイヤーの声からは、データだけでは得られない示唆を得られます。
⑥快適な注文環境を提供し、顧客満足度を高められる
受注会を予約制にすれば、来場する人数や社数をコントロールできます。混雑を避けることで、来場者にはゆったりと、納得できるまで商品を選べる環境を提供できます。
じっくり検討できる環境は、来場者にとって心地よい体験となり、顧客満足度の向上につながります。丁寧に対応してもらえたという印象は、次シーズン以降の継続的な取引にも良い影響を与えるでしょう。
受注会で行われる業務
受注会の業務は、「開催の検討と決定」「開催の準備」「開催当日」「開催後」の4段階に分けられます。
準備段階の業務が全体の大半を占めるため、早めの着手が成功を左右します。ここからは、各段階で行うべき業務を順に解説します。
①開催の検討と決定
最初に、次の2点を検討します。
- 受注会の目的・目標、ターゲットとペルソナ、そして開催の可否
- 開催日時と開催場所
十分な検討を経ずに受注会を開催しても、望む成果は得られません。
まず「何のために受注会を開くのか」という目的を明確にし、そのうえでターゲットとペルソナを定めましょう。目標は、KPI(重要業績評価指標)のように数値で測定できる項目を複数設定することをおすすめします。
日時と場所の選定も重要です。顧客や取引先の来場しやすさ、自社の業務スケジュール、会場の賃借費用などを総合的に考慮して決定しましょう。
②開催の準備
開催が決まったら、当日に向けた準備を進めます。
区分 | 準備する項目の例 |
|---|---|
物品 |
|
人員や組織 |
|
顧客対応 |
|
アパレルの場合、会場に搬入するSKUの選定はとくに重要です。
来場者が試着を行うことも多いため、搬入した商品の見え方や着心地が発注数量を大きく左右します。どのアイテム・SKUを持ち込むか、十分に検討しましょう。
会場で代金を受け取る場合は、つり銭の準備が必要です。クレジットカード決済端末を導入すればカード決済にも対応できますが、決済代行会社との契約が必要になるケースが多いため、早めに手続きを進めましょう。
スタッフによる説明や提案の質も、発注数量を左右する要素です。
来場者が納得したうえで発注できるよう、商品知識の教育を徹底しましょう。受注生産の場合は、工場の生産能力がそのまま納期に直結します。生産能力とスケジュールを事前に確認し、実現可能な納期を提示することが求められます。
受注会は予約制をとるケースも少なくありません。電話や予約フォームでの受付も可能ですが、参加人数や予約枠が多い場合は、予約システムの利用が効率的です。
あわせて、問い合わせに円滑に対応できるよう、よくある質問(FAQ)を整理しておくとよいでしょう。
③開催当日
当日は会場で来場者を迎え、案内や説明、注文の受付といった対応を行います。来場者のニーズに合わせた柔軟な対応を心がけましょう。
アパレルの受注会では試着が頻繁に行われるため、商品をたたみ直す、ハンガーにかけ直すといった会場の維持管理も欠かせません。展示状態が乱れていると商品の印象が損なわれ、発注意欲にも影響します。
また、会場で現金を扱う場合は、盗難防止にも十分な注意を払いましょう。
④開催後
受注会の終了後は、受け付けた注文をもとに商品を手配します。受注生産の場合は、工場へ製造を依頼する流れとなります。商品の準備が整った時点で、注文者へ納品します。
あわせて、受注データの集計と分析も重要な業務です。SKUごとの受注状況を把握することで、次回の受注会や生産計画に活かせる知見が得られます。
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受注会の支払いタイミングと商品の引き渡し方法
受注会における主な代金の受け取り方法を5つ、商品の引き渡し方法を2つ紹介します。
いずれも取引先との信頼関係に関わるため、開催前に明確に定めておくことが不可欠です。それぞれの選択肢を確認していきましょう。
代金を受け取るタイミング
発注者から代金を受け取るタイミングは、受注会によってさまざまです。主催企業は、以下のなかから自社に適した方法を1つ、または複数を組み合わせて選択します。
代金の受け取り方法 | 説明 |
|---|---|
注文時に受領 | 注文を受けた時点で代金を受け取る |
銀行振込による前払い | 主催者が定めた期日までに、代金を振り込んでもらう |
請求書払い | 注文分について後日請求書を発行し、指定期日までに銀行振込で支払ってもらう |
前受金・内金として一部受領 | 注文時に代金の一部を受け取り、残額は別の方法で回収する |
商品と引き換えに受領 | 注文時は代金のやり取りを行わず、商品の入荷後に現物と引き換えで受領する |
BtoB取引では、継続的な取引先には請求書払い、新規の取引先には前受金や前払いを求めるなど、相手との取引実績に応じた使い分けが考えられます。
回収リスクと取引先の利便性のバランスを踏まえて設計しましょう。
受注した商品の引き渡し方法
商品の引き渡し方法は、大きく2つに分けられます。
- 店頭で直接受け渡す
- 配送業者に依頼する
BtoBで配送により引き渡す場合は、一般的な宅配便に加えて、法人向けの配送業者を選べるケースもあります。まとまった数量を配送する場合は、送料や納品方法の面で法人向けサービスの方が適していることも多いため、比較検討をおすすめします。
自社開催の受注会を成功させる5つのポイント
受注会を成功させるには、押さえておきたいポイントが5つあります。それぞれを確認し、自社の受注会に活かしてください。
①ターゲットを定めて招待する
多くの顧客を抱える企業の場合、受注会にすべての顧客を招待すると、申し込みが集中して会場が混雑するおそれがあります。会場の収容人数と想定される来場者層を踏まえ、招待する顧客を絞り込むことをおすすめします。
ここで注意したいのは、購入数量や購入金額の多い顧客を優先すればよいとは限らない点です。
「最近の取引額は少ないが、この商品なら発注してもらえそう」という顧客を招待することで、新たな売上につながるケースもあります。商品の特性と自社の販売戦略を照らし合わせたうえで、招待する顧客を選定しましょう。
②「注文しなければならない」という雰囲気をつくらない
受注会は、その名のとおり受注を主目的としたイベントです。しかし、参加する企業やバイヤーの立場に立てば、魅力を感じない商品を無理に発注する理由はありません。
だからこそ、会場で「注文しなければ帰れない」といった空気をつくらないことが重要です。
「参加したら必ず発注しなければならないイベント」という印象が定着すると、次回以降の参加者が減り、結果的に売上を落とすことにもなりかねません。来場者が納得して発注できる環境づくりを心がけましょう。
③受注時に契約条件を説明し、理解を得る
受注会では、注文後の変更・キャンセルや納期をめぐるトラブルを防ぐため、契約条件を事前に説明することが欠かせません。
- 契約条件によっては、発注後のキャンセルや内容変更が認められない
- 生産状況などにより、提示した納期から変更が生じる場合がある
これらの条件は契約ごとに異なります。事前に説明し、了承を得ておかなければ、後々のトラブルにつながりかねません。
ブランドが主催する受注会であれば、ブランド価値を損なうリスクもあります。受注の際は契約条件を明確に伝え、発注者の理解・了承を得たうえで注文を確定させましょう。
なお、本項は主にBtoB取引を想定しています。一般消費者向けの受注会では、会場の形態や勧誘・販売方法によって、特定商取引法上の「訪問販売」に該当し、クーリング・オフや書面交付などの規定が適用される場合があります。開催前に、対象となる取引と必要な対応を確認しましょう。
④システムを積極的に活用する
受注会の運営には、システムの活用も有効です。
販売管理システムや受注システムを導入すれば、パソコンやスマートフォンから注文を受け付けられるうえ、注文内容をその場でデータ化し、リアルタイムでの集計や分析が可能になります。
在庫管理システムと連携させれば、在庫の有無を即座に回答でき、「すぐに商品が欲しい」というニーズにも応えられます。
決済の場面でもシステムは力を発揮します。
クレジットカード決済端末を用意すればカード決済に対応でき、銀行口座と入金管理システムを連携しておけば、入金と同時に自社システム側の消込処理を自動化できます。入金リストとの突き合わせを手作業で行う必要がなくなる点は、経理担当者にとって大きなメリットです。
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⑤会場を借りる際は「販売行為の禁止」の有無を確認する
受注会の会場として施設を借りる場合は、利用条件を必ず確認しましょう。施設によっては、次のような規定を設けているためです。
- 販売行為の禁止
- 販売行為の有無によって利用料金が変わる
公共施設に限らず、民間施設でも販売行為を禁じているケースがある点に注意が必要です。
もし禁止されている施設で受注会を開催してしまうと、途中で中止を求められるおそれがあります。契約前に施設側へ確認し、必要であれば「受注のみで商品や代金の受け渡しは行わない」といった運営形態を説明したうえで、確認・許可を得ておくと安心です。
受注会を適切なタイミングと方法で開催し、受注獲得につなげよう
受注会を成功させる最大のポイントは、「受注を獲得する」という目的から一貫して逆算することです。
会場や開催時期の選定、会場に並べる商品の選定は、いずれも受注獲得という目的を達成するための手段にほかなりません。「受注につなげるために必要なことは何か」という視点で一つひとつ判断すれば、準備の抜け漏れも防ぎやすくなります。
あわせて、商品と代金のやり取りをどのタイミングで行うかを明確に定めておくことも欠かせません。支払い条件や引き渡し方法は、取引先との信頼関係にも関わる重要な要素です。
受注会はオンラインでも開催できます。
「商品を見て注文する」という受注会の中核となる機能は、オンライン展示会でも実現できるためです。弊社が提供するクラウド販売管理 DEXTRE(デクスター)にも、この機能を搭載しています。
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