インコタームズ対応のオンライン受注で失敗しないポイント【輸出取引】

インコタームズ対応のオンライン受注で失敗しないポイント【輸出取引】

DEXTRE Merchant APIを提供しております。
ご利用をご希望の方は、APIご利用についてをご確認ください。

事業や販路の拡大のため海外からの受注を増やしたいとお考えのメーカーや卸売の企業様も、多いのではないでしょうか?
海外との取引、輸出では、オンライン受注でもインコタームズへの準拠が必要となります。どの国からの注文でも適切に対応できるよう、事前の準備が求められます。

この記事では、オンライン受注におけるインコタームズについて解説します。
オンライン受注でもインコタームズへの準拠が必要な理由、どのようなインコタームズが選ばれやすいかに加えて、海外からのオンライン受注や海外発送でトラブルのリスクを下げられるポイントも解説します。
海外からのオンライン受注を始める企業様、輸出取引を効率化したい担当者様は、ぜひお読みください。

インコタームズについては、インコタームズとは?で解説しています。あわせてご参照ください。

海外からのオンライン受注にインコタームズ準拠が必要な理由と背景

インコタームズ(Incoterms=International Commercial Terms)は、貿易の過程で発生する「コスト(費用)」と「リスク(危険)」を輸出側、輸入側でどちらが、どこまで負担するのかを明確にするために用いられる世界共通の貿易ルールです。
国ごとの商習慣の違いから生じる誤解やトラブルを防ぐため、国際商業会議所が定めました。

インコタームズそのものは法律ではありませんが、売買契約に取り入れることで、その取引のルールになります。国際標準となっているインコタームズに準拠しない貿易は、さまざまな不利益をこうむるおそれがあります。
海外からオンラインで受注し輸出する事業者も例外ではなく、インコタームズへの準拠を要します。その理由と背景を解説します。

海外からの受注体制を整え、海外進出を実現したい

少子高齢化と人口減少が進む日本では、国内向けの事業展開のみでは収益が伸び悩みやすく、さらなる規模の拡大には、海外への販路拡大は当然の選択肢となります。
海外の顧客がオンラインで発注できれば、時差や場所にとらわれない販売チャネルとなり、販売機会を逃しません。そのためには、リアルでの取引同様にオンラインでも、インコタームズに準拠した条件でスムーズに受注、輸出の業務ができる受注体制が求められます。

また、同じ商品でも、FOBで出した価格とDAPで出した価格では、含まれる費用が違います。条件を書かずに価格だけを示すと、取引先は他社の見積と比べられません。注文画面や見積書に条件を書いておくことで、海外の顧客も安心して発注できます。

トラブルなく商品を輸出し、自社の信頼性を高めたい

海外では日本のように、荷物が予定通りに届く国ばかりではありません。輸送の途中で、荷物の紛失や破損が起こる場合もあります。
保険をかけていれば、再度の発送も行いやすくなるでしょう。また、発注者と受注者でコストやリスクを負担する範囲を明確に定めていれば、トラブルを軽減できます。通関手続きも円滑に進められるでしょう。
インコタームズに準拠して取引することで、荷物の輸送でトラブルを起こさずに海外の顧客へ商品を届けやすくなります。無事の取引完了は自社の信頼を高め、良好な取引の継続につながるでしょう。

「発注者は国内だが、発送先は海外」というケースにも対応したい

オンライン受注では、「発注者は国内だが、発送先は海外」というケースもあります。この場合も、インコタームズへの準拠が推奨されます。なぜなら海外への発送には、以下のような負担や責任の所在を取り決めておく必要があるからです。

  • 関税や相手国への輸送費、また相手国内の輸送費を誰が負担するか
  • 日本および相手国の通関手続きを誰の責任で行うか
  • 保険料を負担するか、また誰が負担するか

日本国内だけに顧客をもつ企業でも、インコタームズへの対応が必要になる取引があることに注意が必要です。

インコタームズが必要ないオンライン受注にするには?

国内向けのオンライン受注では、インコタームズへの対応は原則として必要ありません。
国内から注文を受け、かつ発送先も国内の受注は貿易に関する業務は発生しないからです。梱包した商品を物流業者に渡し、配送してもらえば顧客のもとへ届きます。

しかし、上述のように「国内で受注したが、発送先は海外となる取引」では、インコタームズに準拠した取引になります。この対応を行わないオンライン受注にするなら、あらかじめ「発送先は日本国内に限る」という但し書きを設け、注文画面で明示する必要があります。

海外からのオンライン受注で選ばれやすいインコタームズの種類とは?

インコタームズ2020の11条件の費用と危険の分かれ目

現在、インコタームズ2020が最新版として活用されており、11種類の条件が設定されています。
このうち、海外からオンラインで受注する事業者が選びやすいのは、次のような条件です。それぞれの詳しい内容は、条件ごとの記事で解説しています。

条件向いている場面詳しく
FCA(運送人渡し)取引先が自分で運送業者を手配する。コンテナ輸送や航空便FOB・FCA・FAS・CIFの違い
FOB(本船渡し)取引先が船を手配する。コンテナに入れない貨物FOB・FCA・FAS・CIFの違い
CIP・CIF(運賃保険料込み)売主が運賃と保険まで手配し、到着地までの運賃込みで価格を出す。コンテナ輸送や航空便はCIPCFR・CIF・CPT・CIPの比較
DAP(仕向地持込渡し)到着地まで届けた価格を出し、輸入の手続きと関税は取引先が持つDAP・DPU・DDPの違い
DDP(関税込持込渡し)関税も含めた総額を出す。売主が輸入国の手続きと税を負うので負担が大きいDAP・DPU・DDPの違い

売主が日常的にCIFやCIPを利用している場合は、手続きに慣れているためスムーズに行えるでしょう。海上輸送や輸入の手続きに不慣れな買主が手配するよりも、結果的に安くて安心を得られるケースも少なくありません。
一方、自社で運送業者を持っている取引先にはFCAで十分です。取引先ごとに使う条件が違ってもよいように、条件ごとの価格を用意しておきましょう。

インコタームズに準拠したオンライン受注で失敗しないためのポイント

海外との取引は、国内で完結する取引と異なります。インコタームズである程度ルール化はされるものの、そのほかにも押さえておきたいポイントがあります。
海外からのオンライン受注や海外発送でトラブルのリスクを下げ、煩雑な業務の削減を実現するために重要なポイントを紹介します。

自社と顧客それぞれの責任範囲を明確にする

途中でさまざまな業者が関わる海外取引では、国内輸送と比べてトラブルが起こるリスクは高くなります。
輸送中のトラブルに備えて、どの段階までなら自社で対応するか、どの段階から先は顧客の責任において対応してもらうか、契約書などで責任範囲を明確に定めておきましょう。

条件と価格を、見積書からインボイスまで同じ書き方で示す

インコタームズは「条件+地名+版」で書きます(例:FOB Yokohama Incoterms® 2020)。見積書、注文画面、注文内容確認書、インボイスで書き方を揃えておくと、取引先との行き違いを防げます。書き方はFOB・FCA・FAS・CIFの違いで解説しています。

費用の内訳や保険の内容を明記する

輸出にかかる費用を明確に提示することで、顧客の信頼を得られます。内訳を細かく示すとよいでしょう。
例えば「商品はそれほど高くないが、運賃が高いため高額に見える」場合は、内訳を示すことで買主の納得を得やすくなります。
加えて、輸送中に掛けている保険の内容も、買主に知らせておくとよいでしょう。万が一の事態が起きた際の費用負担が抑えられるとともに、買主の安心感にもつながります。

契約に関する事項や条件を漏れなく明記する

海外との取引では、契約書に書いていない項目でトラブルが起こると、損害をすべて負担させられるなど無理な要求をされるかもしれません。
「細かい内容までいちいち記載すると、文章量が多くなり買主に迷惑がかかるかもしれない」といった配慮は不要です。自社を守るためにも、契約に関する事項や条件を漏れなく明記しましょう。

あいまいな表現を極力避ける

海外との取引では、「以心伝心」は通用しません。
例えば独立行政法人中小企業基盤整備機構のメディアでは、国内企業どうしでの契約書でよく記載される「甲乙誠意をもって協議し解決」といった誠実協議条項は、海外取引におけるトラブルの解決に寄与しないという趣旨の見解を述べています(日本の商売とはここが違う 海外ビジネス - 海外ビジネスナビ - 中小機構)。
海外の顧客とのトラブルを防ぐためには、契約書には誰が読んでも同じように解釈できる文章で記述することが重要です。あいまいな表現は、極力避けましょう。

国際情勢や輸入制限品をチェックする

海外との取引では、相手国はもちろん関連する国際情勢にも注意して情報を集めましょう。紛争や政情不安などで船や航空機の運航が止まることがあるためです。

  • 戦争や内乱で相手国の治安情勢が悪化する
  • 船や航空機が経由・通過する地域の治安情勢が悪化する

上記のような事態は、急激に悪化する場合もあります。最新の情報を入手し、判断することをおすすめします。
あわせて海外に発送する商品が、相手国での輸入制限品に該当しないかのチェックも必須です。輸入の規制は国によって違い、時期によって変わることもあるので、輸入の要件や禁止事項を、取引を始める前に最新の情報で確認しておきましょう。

「リスト規制」「キャッチオール規制」に該当しないかチェックする

商材や発送先の国・地域によっては、輸出に制限が課される、または輸出できない場合があります。
例えば、武器や軍事に転用できる品目を一覧にした「リスト規制」に該当する品目は、どの国への輸出でも経済産業大臣の許可を要します。
また、リスト規制に該当しない品目でも、食料品と木材を除くすべての品目が「キャッチオール規制」の対象になり得ます。輸出先がアメリカ合衆国やカナダ、韓国、オーストラリア、イギリス、EUに加盟する多くの国などの「グループA(旧ホワイト国)」以外で、用途や需要者が大量破壊兵器や通常兵器の開発などに関わるおそれがある場合は、許可が必要です。

リスト規制やキャッチオール規制に該当しない品目でも、輸出先が経済制裁対象国に該当していると輸出できない場合があります。例えば北朝鮮への輸出は、すべての品目が禁じられています。
海外取引で輸出を行う場合は、輸出先の国が規制の対象となっていないか、許可が必要な品目でないか、事前にチェックしておきましょう。

インコタームズや輸出業務に対応した受注システムを活用する

海外の企業やバイヤーとの取引や海外発送にかかわる輸出業務は煩雑になりがちで、手入力が多いと担当者の負担となり、人的ミスや情報共有に漏れが生じやすく、チェックにも手間がかかります。
インコタームズに準拠したWeb受注や輸出書類を作成できるシステムを導入できれば、より早くて正確な輸出業務の管理が可能になります。
担当者の負担やミスも減り、コア業務にリソースを集中でき、人件費の削減にも貢献できるでしょう。輸出に対応した受注管理システムの選び方は、海外取引の受注管理システムの選び方で解説しています。

インコタームズ2020対応のクローズドECでWeb受注!クラウド販売管理DEXTRE

  • 海外へ向けて卸売を展開している企業様
  • これから海外の顧客と卸取引を始める企業様
  • テストマーケティングやスモールスタートで海外へ商品を輸出する企業様

クラウド販売管理 DEXTRE(デクスター)は国内外の卸取引を受注、在庫、納品、請求、入金まで1つのシステムでシームレスに一元管理できます。
現地の直営店、代理店、卸売や小売の企業、個人のバイヤーとの卸取引にまつわる販売管理や在庫管理、輸出業務をDEXTRE一つで管理できます。

インコタームズ2020の11条件は「メーカーのコア設定」で有効にし、取引先ごとに取引条件を設定できます。製品の価格は「取引条件」と「取引通貨」の組み合わせごとに登録できるので、インコタームズの確認、解釈違いによるミスやリスクが減少し、条件ごとの価格を簡単に管理できるようになります。

注文は、カタログのほか、URLから注文できる「インスタントオーダーリンク」「カスタマーオーダーリンク」、中国のバイヤー向けの「中国バイヤー専用オーダーリンク」からも受けられます。受注生産やバックオーダーなど、多様な受注にも対応しています。

海外取引に必要な輸出書類や請求書の作成にも対応しています。

  • コマーシャルインボイス
  • 仮請求書(プロフォーマインボイス)
  • パッキングリスト
  • クレジットノート
  • 注文内容確認書(オーダーコンファメーション)
  • デポジット請求書
  • バランス請求書

など。くわしくは機能ページ「海外取引(貿易管理)」をご覧ください。

DEXTREで海外との卸取引の販路拡大、業務効率化を実現した事例

国内、海外それぞれ数十社でアパレルブランドの卸売を展開されているソウミヤ様はコロナ禍を機にDEXTREを導入され、オンライン展示会で海外販売の拡大、DX化で業務効率化に成功されました。

導入事例

ソウミヤ様

メンズブランドD.HYGEN(ディハイゲン)を展開するソウミヤの代表・定兼幸司様は、コロナ禍にDEXTREでのオンライン展示会の導入をきっかけに海外販売と輸出販売の拡大を実現。DX化により業務効率化も図られ、今後もオンライン展示会を続けることを決定。

また、キャタピラープロデュイ様はDEXTREの導入によって国内卸と輸出取引の両立を実現されたアパレルメーカー様です。注文内容確認書、納品書、請求書、輸出帳票まで簡単に作成できるのが決め手になったとのお声をいただいております。

導入事例

有限会社キャタピラープロデュイ 様

国内卸と輸出取引の両立。受注だけでなく注文内容確認書・納品書・請求書・輸出帳票まで簡単に作成できるのが決め手に。

その他のDEXTRE導入事例

卸取引の受発注から
入金までクラウドで一つに

30日間すべての機能をお試しください

無料で試してみる

DEXTREは、デジタル化・AI導入補助金2026をご活用いただけます。

DEXTRE(デクスター)は企業間取引のデジタル化を推進する「デジタル化・AI導入補助金2026(中小企業デジタル化・AI導入支援事業) インボイス枠(インボイス対応類型)」の対象ツールに認定されました。