アパレルは「季節や流行によって需要が大きく左右される」という商品の性質上、適正な在庫の維持・管理が難しい業種の1つです。
例えばサイズ、素材、カラーなど分類が多岐にわたる膨大な取り扱い商品群に複数の販売チャネルがある場合には、在庫データの共有が遅れるなど担当者の頭を悩ませてきました。
そんなアパレルの在庫管理が、中小企業にも広まる中で、大きく改善できる状況になっています。
この記事では、アパレル業の業務負担を高め、リードタイム短縮のボトルネックとなりやすい在庫管理の問題を解消できる「在庫管理システム」について、アパレルの商習慣をふまえて具体的に解説します。
システム導入によってどのような効果があるのか、アパレルの在庫管理改善を検討されている担当者様はぜひ最後までご覧ください。
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INDEX
アパレル業の在庫管理4つの問題点
アパレルの在庫管理のネックとなっている原因は、次の4点がからみあって非効率で煩雑な業務になってしまっていると考えられます。
①商品寿命が短く、需要予測を立てづらい
アパレルは季節に合わせた商品展開が一般的で、通年で安定して売れる商品は多くありません。
SNSでの話題やエンタメコンテンツから生じたブームなど一過性の動向にも影響を受けやすく、的確な需要予測を立てるのが困難です。
また、トレンドに連動する商品ライフサイクルの短さは、アパレル業が余剰在庫を抱えやすい大きな要因となっています。
ECプラットフォームやアウトレットなどが普及したことで、一昔前に比べると余剰在庫がある程度さばけるようになっていますが、反面、こういった環境が「適正在庫への意識の低下」と関連しているともいえます。
②適正在庫への意識の低下
ECサイトやアウトレットをはじめとする「いつでも販売できる環境」が整ったことで、余剰在庫を処分しやすくなったのは一見良いことのようにも思われますが、「余ったら値引きして売れば良い」という考え方は本来、企業にとって好ましいものではありません。
こういった考えがスタッフの間で共通認識になってしてしまうと利益率の低下のみならず、在庫の圧迫と在庫管理の煩雑化を招いてしまいます。
もちろん、ECサイトなどを活用した余剰在庫の処分は販売戦略として重要ですが、適正価格での販売、適正在庫の維持が運用の基本であることが担当者や部署内で共有されているかどうかは、ビジネスの利益構造にも影響することではないでしょうか。
③Excelでの在庫管理が属人化、煩雑化している
在庫管理をExcelで行っている企業は多く、アパレルも例外ではありません。
扱えるビジネスパーソンが多く、多機能で利便性の高いExcelですが、業務管理の属人化や非効率化を招きやすいソフトでもあります。
- 担当者が独自のフォーマットや処理でデータを管理
- 高度な知識が必要な方法で構築された管理を後任者が引き継げない
- 担当者の環境でのみデータが保存されている
- データが社内・部署内で散逸して最新の情報がどれかわからない
- 在庫の情報量が膨大になり、動作が遅い
上記のように在庫管理のプロセスがルール化、見える化されていない状況では、抜けや漏れ、遅れが生じやすくなってしまいます。
特に、在庫管理に関連するスタッフの間でExcelスキルの差が大きい場合にこの傾向は顕著になります。
また、アパレルは取り扱うアイテム数が多い上に、素材やカラー、サイズなどの条件が絡むため、膨大な数のSKUを管理する必要があります。
こういった複雑な在庫データをExcelで管理すると単純に見づらい上、最新の情報か否かについても気を配らなくてはならない難点があります。
④店舗、拠点をまたいだ在庫管理が困難
多くのアパレル企業は複数の拠点、あるいは複数のチャネルを持って販売活動を行っています。
販路が複数に分かれているブランドは、拠点間、チャネル間で正確で迅速な在庫データの共有が重要になりますが、このプロセスで生じる遅れや共有ミスが長年課題となってきました。
複数の販路を連携するオムニチャネルがアパレルの重要な販売戦略になってきている中、在庫データをリアルタイムに確実に共有できる環境の構築は必須といえます。
すべてのスタッフが常に正しい在庫情報にアクセスできないと、販売機会の損失や顧客からの信用失墜といった不利益につながってしまいます。
アパレル業が在庫管理システムを導入するメリット、効果
アパレル業に対応したITツールの登場やDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れによって、上述の在庫まわりのトラブルが解消されつつあります。
中でも大きな成果を挙げているのが、在庫管理システムによる業務の効率化です。
在庫管理システムとは、場所・数量・入出庫など在庫状況を一元管理して、効率的に把握、管理できるシステム、ソフトウェアやクラウドサービスをいいます。
販売管理システムの一機能として搭載されていたり、独立した在庫管理システムなどがあります。オンラインで利用するクラウドの在庫管理なら、各拠点での導入コストをおさえて、利便性の高い在庫管理が実現できます。
在庫管理システムができること
在庫管理システムで実現できる効率化、自動化はさまざまありますが、一例として以下のような機能があります。
- 在庫状況が一覧で確認できる
- 在庫の動きを各拠点でリアルタイム共有
- SKUなど条件ごとに商品を絞った管理
- 商流に合わせた引当て・移動ルールの複数設定
- 委託販売、消化仕入れの管理
- 在庫の動きを予測する集計・分析
- 外部システム、ECサイトとの連携
- オムニチャネルの構築
では、先ほどあげた4つの課題を、在庫管理システムがどのように解消できるのか、ひとつずつ見ていきましょう。
①需要予測を立てづらい → 「売上げ分析、予測機能がサポート」
担当者の経験則や勘に頼った在庫発注は、当たれば利益につながる反面、読み違いやミスもつきものであり、余剰在庫の原因のひとつとなっていたことは否めません。
アパレルに特化した販売管理システム、在庫管理システムなら、過去の売上げデータのみならず、天候や気温、地域による気温差、流行による影響など需要を左右する各データをもとに分析予測を立てることが可能です。
長年の経験による立案にシステムのアシストを取り入れることで、より精度の高い販売戦略が立てられ、適正な在庫の維持が実現します。
②適正在庫への意識の低下 → 「拠点間、スタッフ間で在庫状況を“見える化”」
適正在庫を保つには、スタッフの意識改革もさることながら、すべてのスタッフに対して在庫状況を「見える化」する必要があります。
見える化のためには、棚の整理やロケーション管理でアナログな手法が採られてきました。
こういったアプローチももちろん重要ですが、異なる拠点や全体的な在庫の状況を把握するのが難しい課題がありました。
在庫管理システムの導入は、システム上ですべての在庫データが集まり整理されて一覧表示されます。
拠点や職分を問わず、すべてのスタッフがいつでも最新の在庫状況にアクセスできるようになれば、在庫と現場の分断が解消され、適正在庫を常に認識しながら業務に取り組める環境が整います。
(システムにアクセスできるスタッフを制限することもできます)
③Excelによる属人化、煩雑化 → 「データの一元化、ルールの統一」
Excelによる在庫管理の属人化、煩雑化もシステムの導入で大幅な改善が期待できます。
自社の商流やビジネスモデルに合わせて設定した「引当て・移動」「入出庫」などのルールで自動的に在庫に関するデータが更新され、常に最新の状況がシステムに表示されます。
また、在庫管理システムは見やすく、扱いやすいシンプルな操作性で、誰でも使うことができることを重視した画面、レイアウトになっています(無料体験を活用してしっかりチェックしましょう)。
また、アパレルに特化した在庫管理システムなら商品データに素材やカラー、サイズ、オプションなどといった項目を紐づけることも可能です。
SKU管理をはじめとする煩雑で膨大な商品管理も、システム上で標準化され、在庫管理の工数や時間、ミスを削減した効率的な管理が実現します。
④店舗・拠点をまたいだ在庫管理が困難 → 「最新の在庫データにリアルタイムにアクセス」
店舗間、拠点間をまたいだ在庫管理はアパレル業にとって長年の課題でしたが、クラウドの在庫管理システムの導入でオンラインでいつでもどこでも在庫データを社内、部署内で共有できるようになりました。
在庫状況は自動的に更新、共有されるため、情報共有の遅れや漏れ、転記ミスなどヒューマンエラーを大幅に削減できます。
Shopifyなどの外部サービスや基幹システムと連携できる在庫管理システムを選べば、ロケーションごとの在庫数や入出庫、在庫状況が自動的に共有されるようになります。
オムニチャネルを構築するなら、在庫管理のシステム連携ができることは大前提になります。システム選定の際は、必ず連携内容を具体的に確認しましょう。
在庫管理システムを導入するデメリットは?
在庫管理のシステム化には上述したようなメリットがあります。
特に、在庫管理の問題に限界を感じているアパレル企業であれば、システム化による高い業務改善効果が期待できます。
その上で在庫管理システムの導入で考えられるデメリットは費用と移行・定着のコストです。
①費用
Excelでの在庫管理から、販売管理システムや在庫管理システムを導入する場合にはオンプレミスなら開発費や保守費、クラウドなら月ごとや年ごとの利用料金が必要になります。
システムを自社専用に開発するスクラッチや自社内サーバーにインストール・構築するオンプレミスの初期費用は数百万~数千万円、ランニングコストとなる保守費用が数万~数十万円と高額です。
オンラインで提供されているクラウド(SaaS)は、数千~数万円の月額料金で利用できるサービスが多く、アパレルに特化したクラウドサービスで自社の業務や商習慣に合ったものを選定できれば、コストをおさえつつ高い導入効果が得られるでしょう。
例えば、在庫管理を搭載したクラウド販売管理システムDEXTREは月額20,000円からアパレルに適した全機能を利用できます。
オンプレミスでの在庫管理からクラウドへ移行する場合には、大幅なコスト削減が見込めます。
補助金制度の活用
クラウドサービスなら比較的安価に導入、維持ができますが、それでも年単位ではそれなりの費用となります。
経済産業省などが実施している補助金制度をうまく活用できれば、上述した導入費用が補助され、コスト面で導入ハードルを下げることができます。
2024年度も「IT導入補助金」では、ソフトウェアやクラウドサービスの導入費、利用費に補助金が設けられています。
在庫管理システムを導入する際は、補助金制度の活用も検討してみましょう。
クラウド販売管理 DEXTRE(デクスター)はIT導入補助金2024 「インボイス枠(インボイス対応類型)」の対象ツールです。
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②移行・定着
在庫管理システムの導入は、これまでの在庫管理の方法を変更することになります。
それに伴って、データの移行作業やスタッフへの操作研修、社内ルールの変更と周知など、新しいシステムが社内・部署内に定着するまでにはスタッフの協力と理解が欠かせません。
移行期間はこれまでの方法と新しい方法が併存する場合もあり、業務が増えた際のリソース配分やスケジュール調整なども必要となるでしょう。
スムーズな移行と定着を成功させるには、導入前から担当者を中心に在庫管理業務の課題やシステム導入の必要性を社内・部署内で共有しながら、納得感のある導入に向けたコミュニケーションや周知が重要です。
サポートと二人三脚で進める
そして、在庫管理システムを提供するシステム会社やクラウドサービスのサポートを積極的に活用しましょう。
サポートが充実したところなら導入前から専任の担当者がつき、安定した運用ができるまで研修やミーティング、移行や連携作業の代行などで幅広く支援する体制が整っています。
アパレルの在庫管理には低コスト&サポート充実の「DEXTRE」
在庫管理のシステム化にコスト面やサポートの不安をお持ちの方におすすめしたいのが、アパレル業の商習慣や業務フローに対応しているクラウド販売管理DEXTREです。
DEXTREは、国内外の卸取引に最適なクラウド販売管理システムです。
アパレルの商習慣にフィットした在庫管理機能は、自社のルールや商流に合わせて設定でき、受注を起点とした在庫や納品、請求、入金までデータがつながり、販売管理業務の一元管理が実現できます。
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受発注業務の効率化はもちろんのこと、顧客の発注業務の利便性向上にも貢献でき、関係強化につながります。
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ECモールやセレクトショップ、百貨店への自社商品の貸出、返品、委託先からの売上報告など、委託販売や消化仕入れの在庫管理、売上管理に対応しています。
拠点ごとに在庫を割り当て、自社のルールにや取引先ごとの条件に沿って直営店もふくめた複数の拠点間の在庫の移動を管理できます。
「いつ」「どこに」「どの商品を」「いくつ」貸し出したのか、履歴がひと目でわかり、紛失や返却の漏れなど消化仕入れや委託販売の課題を解決します。
サンプルの貸出や衣装提供の管理、イベントやポップアップの売上管理にも利用できます。
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グローバルに展開するアパレル企業の輸出取引をサポートするさまざまな機能がそろっています。
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Shopifyと在庫連携
DEXTREは、ShopifyなどのECプラットフォームや基幹システムとAPI連携できます。
例えば、ShopifyとDEXTREの在庫連携は、双方が連動してリアルタイムに在庫データを更新します。
また、CSV形式でのエクスポート・インポートにも対応しており、Excelや外部ソフトのフォーマットに合わせたカスタマイズが可能です。
DEXTREでは、ほかにもアパレル企業の在庫管理、販売管理を大幅に効率化するさまざまな機能が充実しております。
専任の担当者によるサポートは、導入前の無料体験から移行、定着まで、研修やミーティングを通して社内外への浸透を支援しています。
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