【システムのコスト削減】費用対効果の高い7つの方法

【システムのコスト削減】費用対効果の高い7つの方法

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業務システムの開発や運用には、導入時の費用だけでなく、保守・運用にかかる継続的なコストが発生します。「システムのコストをどう削減すればよいのか」と頭を悩ませている担当者の方も多いのではないでしょうか。

システムのコストは、ITシステムの開発から運用・保守、廃棄までにかかる費用です。やみくもに削るのではなく、コストの内訳を把握し、削減効果の大きい項目から手をつけると、成果につながりやすくなります。

本記事では、情報システムのコストを削減する方法を解説します。どのコストを削減すると効果が大きいのか、削減を進めるうえで押さえておきたいポイントは何かを確認していきましょう。

目次

システムのコストとは?

システムのコストとは、ITシステムの開発から運用・保守、廃棄までにかかる一連の費用を指します。ソフトウェアやサーバーなどのハードウェアの費用だけでなく、システムに関わる社内の人件費や、開発・保守を委託する外注費も含まれる点に注意が必要です。

一方で、システムのコストは特定のシステム単位で捉えるのが一般的です。 そのため、従業員がさまざまな業務で共通して使うパソコンやオフィスソフトなどは、特定のシステムに紐づかないことから、システムのコストには含めないケースもあります。こうした社内のIT関連費用全体を指す場合は、「ITコスト」と呼んで区別するのが一般的です。

ITコスト全体の削減方法については、ITコスト削減の5つの方法|利益確保と事業強化に効くポイントを徹底解説で詳しく解説しています。

システムのコストに含まれる代表的な項目

システムのコストには、開発時の一時的な費用から、運用中に継続して発生する費用まで、さまざまな項目が含まれます。代表的なものは以下のとおりです。

  • サーバーやストレージ、周辺機器の調達費用
  • ソフトウェアのライセンス費用
  • システム開発費用(要件定義、基本設計、詳細設計、開発、テスト、データ移行など)
  • システムやソフトウェアのバージョンアップ費用
  • システムの利用に必要なネットワークの構築費用・月額料金
  • システムの運用・保守費用
  • システムの運用・管理に携わる社内担当者の人件費
  • 上記の各項目に関する外注費

クラウドやデータセンターを利用する場合は、次の費用も発生します。

  • クラウドの利用料(クラウドサービスを利用する場合)
  • データセンターの利用料(サーバーやストレージをデータセンターに預ける場合)

システムのコスト削減は、まずこれらの項目ごとに、現在いくら支出しているかを正確に把握することから始まります。なお、オンプレミスとクラウド(SaaS、PaaS、IaaS)では、発生する費用項目が異なります。

詳しくは、以下の記事をご参照ください。

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システムのコスト削減につながる7つの方法

システムのコストを削減する代表的な方法は、「相見積もりによる発注先の選定」「機能の絞り込み」「標準機能での運用」「工程の自動化」「クラウドの活用」「オープンソースソフトウェアの活用」「保守・運用契約の見直し」の7つです。

①〜③、⑤、⑥は主にシステムの開発・導入時に、④と⑦は現在稼働しているシステムでも取り組める方法です。それぞれの進め方と注意点を解説しますので、自社に適した方法を取り入れてください。

①相見積もりを取り、費用対効果の高い提案を選ぶ

システム開発を外部のベンダーに発注する場合は、複数の会社から見積もりを取る「相見積もり」を行いましょう。事前にRFP(提案依頼書)を作成して各社に提示すれば、見積もりの前提条件が揃い、比較しやすくなります。

発注先を選ぶ際は、金額の安さだけで判断しないことが重要です。

「開発費は安いが保守しにくい」「価格は魅力的だが自社の業務に合わない」システムを選ぶと、運用開始後に問題が発生しやすくなります。

結果としてシステムを選び直すことになれば、トータルのコストはかえって高くなりかねません。初期費用だけでなく、保守費用を含めた数年単位の総額と、提案内容の質を合わせて評価しましょう。

②優先度の高い機能に絞って開発する

システムの開発費用は、搭載する機能が増えるほど膨らみます。コストを抑えるには、優先度の高い機能に絞り込むことが有効です。

まず、実現したい機能をもれなく洗い出し、業務上の重要度に応じて優先順位をつけます。そのうえで、予算や機能同士の関連性を考慮し、優先度の高い機能から採用しましょう。

初回リリースでは必須機能に絞り、運用しながら段階的に機能を追加する進め方も、コストとリスクの両方を抑える方法です。

③アドオンやカスタマイズを避け、標準機能で運用する

パッケージ製品やSaaSを利用する場合は、標準機能のまま運用することがコスト削減につながります。

アドオンやカスタマイズを加えると、開発費用だけでなく毎年の保守費用もかさむうえ、製品のバージョンアップのたびに改修が必要になることもあるためです。

標準機能で運用するには、「システムに業務を合わせる」という発想への転換が欠かせません。その業務が本当に必要かを見直し、必要に応じて業務プロセスを再構築しましょう。

また、パッケージやSaaSには多くの設定機能が用意されています。マニュアルを確認し、カスタマイズせずに設定で対応できないかを検討することもおすすめです。

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④ツールを活用し、自動化できる工程は自動化する

自社でシステムを開発・運用している場合は、ツールを活用して自動化できる工程を自動化し、人員とコストの両方の負担を軽減しましょう。

代表的なのは、監視やバックアップなどの定型作業を自動化する運用自動化ツールです。自社開発を行う場合は、テスト自動化ツールを導入すれば、テストに要する時間と人件費を削減できます。

また、ノーコードツールやローコードツールを使えば、専門的なプログラミングを行わずに業務に必要なツールを作成することも可能です。

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⑤クラウド上でシステムを構築する

初期コストを抑えるには、クラウド上でシステムを構築する方法も有効です。

サーバーなどの機器を自社で用意するオンプレミスと、事業者のサービスを利用するクラウドでは、費用の構造が次のように異なります。

システムの構築方法費用の特徴
オンプレミス
  • 調達する機器によって金額が決まる
  • 運用期間の長短にかかわらず、ハードウェアの購入費用は変わらない
クラウド
  • 月額課金が中心
  • 利用した期間や量に応じて費用が変わる

特に、キャンペーンサイトのように短期間だけ使うシステムでは、クラウドを活用することで、オンプレミスに比べて費用を大きく抑えられます。

一方で、長期間・大規模に利用する場合は、累計の利用料がオンプレミスを上回るケースもあります。利用期間と規模を想定し、総額で比較して判断しましょう。

⑥オープンソースソフトウェアを活用する

LinuxやMySQL、PostgreSQLなどのオープンソースソフトウェア(OSS)の活用も、システムのコスト削減に有効です。

商用のOS(Windowsなど)やデータベース(OracleやSQL Serverなど)は、利用にあたってライセンス費用が必要で、構成によっては契約時に数千万円、保守費用が年間数百万円に及ぶこともあります。OSSを選べば、こうしたライセンス費用を抑えられます。

ただし、OSSは「完全に無料」というわけではありません。

原則としてメーカーによる保守サポートがないため、トラブル対応には社内の技術力が必要です。企業向けの有償サポートを利用する場合は、その費用も発生します。社内の体制とサポート費用を含めて、商用製品と比較検討しましょう。

⑦保守・運用契約の内容を見直す

稼働中のシステムのコストを下げるには、保守・運用契約の見直しが効果的です。導入時の契約のまま、何年も更新し続けているケースは少なくありません。

見直しの際は、まず現在の契約内容が自社の実態に合っているか、次の点を確認しましょう。

  • サービスレベル(対応時間・復旧時間)が、業務上必要な水準を上回っていないか
  • 使われなくなった機能が保守対象に残っていないか
  • 複数ベンダーと重複する保守契約を結んでいないか

例えば、平日日中しか使わない社内システムに24時間365日の保守は不要です。見直しの結果をもとに、他社の見積もりも参考にしながら契約更新時に条件を交渉しましょう。サポートが終了したハードウェアは、第三者保守で延命する選択肢もあります。

ただし、保守水準を下げすぎると、障害発生時の復旧が遅れて業務が止まるリスクが高まります。基幹業務や顧客向けのシステムは、コストより安定稼働を優先して判断しましょう。

システムのコストは、ライフサイクル全体で評価する

システムのコストは、開発から運用・保守、更新、廃棄に至るまで、ライフサイクル全体で評価することが重要です。このようにシステムの導入から廃棄までにかかる費用の総額を、TCO(Total Cost of Ownership/総保有コスト)と呼びます。

システム開発を発注する際は、どうしても開発費用に目が向きがちです。しかし、運用開始後には運用費や保守費用といったランニングコストが、システムを使い続ける限り発生し続けます。

開発費用やパッケージの購入費用が安くても、ランニングコストが高額なシステムを選べば、廃棄までのトータルコストはかえって高くなりかねません。例えば、開発費が200万円安くても保守費用が年間50万円高ければ、5年間で総額は逆転します。目先の安さではなく、TCOで比較する視点が、ライフサイクル全体でのコスト削減につながります。

システムのコストを削減する4つのメリット

システムのコスト削減は、企業に「初期費用の抑制」「ランニングコストの抑制」「IT投資への社内理解の促進」「成長投資の原資の確保」という4つのメリットをもたらします。それぞれの内容を確認していきましょう。

①初期費用を抑えられる

導入時のコストを見直すことで、初期費用を大きく抑えられます。 オンプレミスからクラウドに移行すれば、サーバーやストレージといったハードウェアの購入が不要になります。SaaSであれば、データベースなどのミドルウェアの費用もかかりません。システムの規模によっては、数百万円から数千万円の削減につながるケースもあります。

オンプレミスで構築する必要がある場合でも、サーバーやストレージの性能、ミドルウェアの機能を要件に照らして見直せば、過剰な投資を避けて初期費用を抑えられます。

②ランニングコストを抑えられる

毎月、または毎年発生する費用を見直せば、ランニングコストを削減できます。ランニングコストは継続的に発生するため、1件あたりの削減額は小さくても、数年単位で見ると大きな効果になります。

見直しの対象として代表的なのが、パブリッククラウドの利用プランや通信回線の料金です。実際の利用状況に対して性能が過剰なプランを契約している場合は、適切なプランに変更するだけでコストを抑えられます。

③IT投資の効果が社内で共有され、理解が深まる

適切なシステムを導入・運用すれば、業務にかかる工数が減り、経費の削減につながります。売上が伸びにくい状況でも、経費の削減分が利益の増加として表れます。

こうした成果は、毎月の業績数値として目に見える形で確認できます。

経営会議や部門ごとの会議で成果を共有すれば、「システムへの投資は経営に良い効果をもたらす」という認識が社内に広がります。次のIT投資を検討する際にも、社内の理解と協力を得やすくなるでしょう。

④削減した資金を、成長への投資に回せる

コスト削減は、競争力の強化にもつながります。

捻出した資金を、組織の強化や新規事業といった自社の成長につながる取り組みに充てられるためです。

増収が見込みにくい局面でも、コスト削減によって資金を確保できれば、業績改善に向けた次の一手を打てます。新規事業の立ち上げや採用の強化に活用すれば、競合他社に対して優位に立つ機会も生まれます。

システムのコスト削減は、業績を好転させるきっかけにもなり得るのです。

システムのコスト削減で押さえておきたい5つのポイント

システムのコスト削減を成功させるには、「安さだけで発注先を決めない」「仕様を固めて手戻りを防ぐ」「システム化以外の手段も検討する」「拡張性を確認する」「補助金・助成金を活用する」という5つのポイントを押さえることが重要です。それぞれ確認していきましょう。

①開発費用の安さだけで発注先を決めない

発注先を開発費用の安さだけで決めないことは、必ず押さえておきたいポイントです。システムの性能や品質、運用・保守費用まで含めた費用対効果で評価しましょう。

特に注意が必要なのが、顧客とSLA(Service Level Agreement/サービスレベル合意、またはサービス品質保証)を結んでいるシステムです。アクセス集中による応答遅延などで取り決めた水準を守れなかった場合、利用料の返金や減額を求められる可能性があります。

初期費用をいくら削っても、顧客への返金額が削減額を上回れば、結果的にコストは増えてしまいます。自社がシステムに求める品質を満たすことは、価格の安さよりも優先すべき条件だと認識しておきましょう。

②目的と仕様を明確にし、後工程での手戻りを防ぐ

システムのコスト削減には、想定外の追加費用を抑えることも欠かせません。 仕様を決める段階であいまいな部分を残すと、開発やテストといった後工程で手戻りが発生し、費用の増加や納期の遅れを招きます。こうしたリスクを防ぐには、要件定義や基本設計の段階で仕様を確定させることが重要です。

時間をかけてでも「業務のあるべき姿」を起点に要件定義と設計を行うことが、手戻りを防ぐ有効な方法です。あわせて、新システムで「現行システムと同じ機能・画面」を前提にしないことも大切です。現行踏襲を基準にすると、テスト段階で「以前と動きが違う」といった理由で修正を求められやすくなります。

「新システムは現行システムとは別物」という認識を関係者で共有しておけば、手戻りのリスクを下げられます。

③業務課題の解決は、システム化以外の手段も検討する

システム化は有効な手段ですが、すべての業務をシステムに組み込むと、かえってコストが膨らみかねません。

特に利用頻度の低い機能まで開発すると、費用に見合う効果が得られないケースが多くなります。開発の難易度や利用頻度を踏まえ、次のような選択肢も検討しましょう。

  • SaaSやWebアプリ
  • フリーソフト
  • Excelのマクロ
  • ノーコード・ローコードツール
  • 生成AI・AIエージェント

簡単な計算であれば、電卓で十分な場合もあります。

これらのソフトウェアやツールを利用する際は、提供元の企業やプログラムの信頼性、セキュリティ面での安全性を事前に確認しておくと安心です。

④システムの拡張性を確認する

コスト削減を進める際は、拡張性が犠牲になっていないかの確認も欠かせません。代表的なチェック項目は、データの処理件数が増えても問題なく対応できるかどうかです。

スタートアップなど成長途上の企業では、処理件数が年々増えていく傾向があります。「登録件数が上限に達した」「応答速度が遅くなった」といった理由で早期のリプレイスを迫られれば、コスト削減どころか、かえって大きな出費につながります。

必要な性能ぎりぎりで仕様を決めると、こうした事態が起こりがちです。システムを選定する際は、数年後の事業規模を想定し、データ量が増えても保存・処理できるか、求める時間内に処理を完了できるかといった拡張性を確認しましょう。

⑤補助金・助成金を活用する

システムの実質的なコスト負担を下げるには、補助金・助成金の活用も有効です。

要件を満たして採択されれば、自社の支払額を抑えられます。ITツールの導入であれば、「デジタル化・AI導入補助金」(旧IT導入補助金)が代表的な制度です。

ただし、補助金・助成金の多くは後払いである点に注意が必要です。ベンダーへの支払いが先に発生するため、支給までのつなぎ資金をどう確保するか、あらかじめ検討しておきましょう。金融機関からの融資が代表的な方法です。

また、原則として交付決定前に契約・発注した費用は補助の対象外となるため、スケジュールを確認したうえで手続きを進めることが大切です。

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システムのコスト削減は、業務の仕組みとセットで見直そう

システムのコストを削減する方法は、相見積もりによる発注先の選定、機能の絞り込み、標準機能での運用、工程の自動化、クラウドやオープンソースソフトウェアの活用など、開発・運用の各段階に数多くあります。

ただし、大きな削減効果を得るには、システムを利用する企業側にも相応の取り組みが求められます。

システムを入れ替えるだけで手間をかけずにコストを下げようとしても、効果は限定的です。搭載する機能を棚卸しして本当に必要なものに絞る、標準機能で運用できるよう業務の仕組みを見直すといった、業務側の変革とセットで進めることが成果への近道です。

また、開発費用の安さだけでなく、運用・保守を含めたライフサイクル全体のコスト(TCO)で判断する視点も欠かせません。

SaaSの活用は、こうした取り組みを実現しやすい有効な選択肢の一つです。

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