消化仕入れの請求書|発行方法と記載する項目、仕入明細書の扱い方【卸売向け】

消化仕入れの請求書|発行方法と記載する項目、仕入明細書の扱い方【卸売向け】

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消化仕入れでは、小売店に引き渡した商品の数量が、そのまま自社の売上になるとは限りません。実際に店頭で売れた分だけが売上として計上されるため、請求書を発行する際にはこの仕組みを踏まえた対応が求められます。

さらに消化仕入れでは、自社が請求書を発行するのではなく、小売店側が作成する仕入明細書を用いるケースも少なくありません。

 

では、請求書を発行するとき、あるいは仕入明細書を受け取ったとき、実務担当者はどのような点に注意すればよいのでしょうか。

 

本記事では、卸売業務を行う企業に向けて、消化仕入れにおける請求書の発行方法と仕入明細書の扱い方を解説します。書類に記載・確認すべき項目から、請求書や仕入明細書をやり取りした後に必要となる経理処理まで、実務の流れに沿って確認していきましょう。

 

なお、消化仕入れの仕組みそのものについては、消化仕入れとは?仕組みやメリットとデメリット、複数ヵ所の在庫管理をシステム化するには?で詳しく解説しています。あわせてご参照ください。

 

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消化仕入れに請求書の発行は必要?

消化仕入れの場合も、通常の商取引と同じく、商品を納品した側(売り手)が請求書を発行するのが原則です。卸売業を営む自社が商品を納品したのであれば、自社が請求書を作成し、小売店に交付する流れが基本となります。

 

ただし、取引先の小売店によっては、小売店側が仕入明細書を発行するケースもあります。この場合、売り手である自社が請求書を発行する必要はありません。

(仕入明細書は、支払通知書や支払計算書といった名称で運用される場合もあります)

 

小売店から届いた仕入明細書の内容を確認し、その旨を小売店に通知することで、請求書の発行に代えられます。どちらの方式を採用するかは、取引開始時に取り決めておくとよいでしょう。

 

請求書の締め日や発行頻度はどう決める?

請求書の締め日や発行頻度も、通常の商取引と同様に、自社と小売店の間で協議して決めるのが原則です。代表的な設定は次の2つです。

 

  • 締め日を月末など毎月一定の日に固定する
  • 請求書は月に1回まとめて発行する

 

小売店のなかには請求書や仕入明細書の発行ルールをあらかじめ定めている企業もあります。

 

とくに取引規模の大きい小売店では、請求書の様式や締め日について独自のルールを指定するケースもあります。その場合は、小売店側の既存ルールに従って対応することになります。

 

取引条件を取り決める段階で締め日、発行頻度、書類の様式について小売店の指定がないかを確認しておくと、後々の行き違いを防げます。

 

消化仕入れの請求書、仕入明細書に記載すべき項目

消化仕入れの取引で用いる請求書や仕入明細書には、記載すべき項目が数多くあります。

 

ここでは、どの項目を記載すべきか、そして「店頭でまだ売れていない商品」を書類に含めてよいのかまで、具体的に確認していきましょう。

 

請求書を発行する場合に記載すべき項目

請求書に記載する項目は多岐にわたります。

 

とくに、2023年10月に開始したインボイス制度に対応するには、登録番号や税率ごとの区分といった要件を満たす必要があります。銀行振込での支払いを求める場合の代表的な記載項目は、以下のとおりです。

 

記載する箇所記載する項目の例
請求書ごとに1箇所記載
  • 宛先の社名、住所
  • 自社(発行元)の社名、住所
  • 自社のインボイス登録番号
  • 請求書の発行日
  • 請求合計額
  • 適用される消費税率と、税率ごとの合計金額
  • 消費税率ごとの消費税額
  • 支払期日
  • 振込先(金融機関名・支店名・口座番号)
商品やSKUごとに記載
  • 販売した年月日(または対象期間)
  • 型番や商品コード
  • 商品名
  • サイズ
  • 数量
  • 金額
  • 軽減税率が適用される場合は、その旨を記載

 

仕入明細書を受け取った場合にチェックすべき項目

仕入明細書の内容は、自社が受け取る金額に直接影響します。

そのため、受け取った際は請求書を発行する場合に記載すべき項目が正しく記載されているかを確認したうえで、さらに次の点をチェックしましょう。

 

  • 過去の販売実績と比べて不自然に数量が多い(または少ない)商品がないか
  • 小売店に納品した数量を超える売上が計上されていないか
  • 完売した商品については出荷数と仕入明細書上の数量が一致しているか
  • 自社の登録番号が正しく記載されているか

 

いずれも、実際の取引と書類の内容にズレがないかを見極めるためのポイントです。

 

委託販売や消化仕入れにおけるこうした突き合わせ作業には、クラウド販売管理 DEXTRE(デクスター)パートナー在庫機能が役立ちます。

バイヤー専用のクローズドBtoB ECから注文してもらう仕組みにより、小売店に置いている在庫数もリアルタイムで把握できるため、仕入明細書の正誤確認がスムーズになります。

 

納品した商品は、どこまで請求書に含めるべきか?

消化仕入れで特に注意すべきなのが、この点です。

商品を卸した企業は、店舗に引き渡した商品すべてを請求できるわけではありません。請求できるのは、あくまで店頭で実際に販売された商品のみです。

 

店舗に引き渡した商品の状況請求の可否
店舗で販売された請求できる
店舗内にとどまっている(販売中、売れ残り)請求できない

 

その理由は、商品の所有権の所在にあります。

消化仕入れでは、店頭に並んでいるだけで売れていない商品の所有権は、まだ仕入元である自社にあります。所有権が小売店に移るのは商品が売れた瞬間であるため、店舗内にとどまっている在庫を小売店への請求書に含めてはいけません。

 

誤って引き渡し数量の全量を請求すると、過大請求となり取引先との信頼問題に発展しかねないため、十分に注意しましょう。

 

請求書を発行した後に行うべきこと

請求書は代金を回収するための重要な書類ですが、発行しただけで自社の現金や預金が自動的に増えるわけではありません。

 

販売代金を確実に回収するには、発行後の業務までしっかり行う必要があります。ここからは、請求書発行後に行うべき3つの業務を解説します。

 

①請求書の送付

作成した請求書は、速やかに取引先へ送付します。現在は、次のようにさまざまな送付手段があります。

 

  • 郵送
  • FAX
  • 電子メール
  • ビジネスチャット

 

どの手段を用いるかは、取引先と事前に協議して決めておきましょう。

 

近年は、請求書をシステム上にアップロードすると取引先へ自動的に通知される請求書発行サービスも普及しています。電子メールやビジネスチャットにありがちな、他のメッセージに請求書が紛れて見落とされるリスクを減らせる点が大きなメリットです。

 

②入金の確認

請求書で指定した支払期日が到来したら、速やかに入金状況を確認します。期日までに請求金額どおりの入金があったかを、必ずチェックしましょう。

 

実務では、指定どおりの金額が入金されないケースもあります。状況に応じて、以下のように対応します。

 

状況対応の例
1円も入金されない取引先に連絡して、入金を促す
入金されたが不足がある取引先に連絡し、不足額の入金を促す
過剰に入金された取引先と協議し、差額を返還するか次回入金額に充当する

 

入金遅延や金額の相違は、放置すると回収漏れや取引先とのトラブルにつながります。気づいた時点で早めに連絡することが、円滑な取引関係を保つポイントです。

 

③会計処理

会計処理は、「請求書の発行時」と「入金の確認時」の2回に分けて行う必要があります。

 

1回目は、請求書を発行した時点(仕入明細書を受け取った場合はその受領時点)で、売上と売掛金を計上します。

税抜経理方式を採用している場合は、消費税の計上も忘れずに行いましょう。たとえば請求額が税抜250,000円(消費税率10%)の場合、仕訳は次のようになります。

 

借方貸方
売掛金 275,000売上 250,000
仮受消費税 25,000

 

2回目は、取引先からの入金を確認した時点で計上します。自社の普通預金口座への入金を指定していた場合の仕訳は次のとおりです。

 

借方貸方
普通預金 275,000売掛金 275,000

 

この2回目の仕訳によって、1回目に計上した売掛金(債権)が消え、実際の入金(預金の増加)に置き換わります。売掛金の残高が正しく消し込まれているかを確認することで、回収漏れの防止にもつながります。

 

消化仕入れの請求書に関するよくある質問

消化仕入れの請求書には、ここまで解説した内容のほかにも押さえておきたいポイントがあります。ここからは、実務でよく寄せられる2つの質問にお答えします。

 

Q1. 仕入明細書を受け取ったら、小売店に通知する必要はある?

はい、必要です。

仕入明細書を受け取ったら、速やかに内容を確認したうえで、誤りの有無にかかわらず発行元の小売店へ通知するのが原則です。この確認・通知のプロセスを経ることで、仕入明細書が請求書として活用できるようになります。

 

通知の際、電話など口頭での連絡はおすすめできません。

記録が残らず、後日「言った・言わない」の水掛け論に発展するおそれがあるためです。電子メールやビジネスチャットなど、やり取りが記録として残る方法を選びましょう。

 

「取引のたびに通知するのは煩雑だ」と感じる場合は、あらかじめ当事者間で取り決めておく方法があります。

たとえば契約書に「一定期間内に誤りの連絡がない場合は、内容に相違ないものとみなす」という条項を設けておけば、個別の通知を省略できます。

(参考:国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」

通知を失念した場合でも書類の有効性を担保できるため、実務負担の軽減につながります。

 

Q2. 請求書や仕入明細書に誤りを見つけたら、どう対応する?

対応方法は、その書類を誰が発行したかによって異なります。

 

自社が発行した請求書に誤りがあった場合は、自社で修正します。正しい内容の請求書を再発行し、取引先へ送付しましょう。

 

一方、小売店から受け取った仕入明細書に誤りを見つけた場合は、自社で修正することはできません。発行元である小売店に連絡し、正しい内容の仕入明細書を再発行してもらう必要があります。

 

再発行には小売店側の対応を待つ時間がかかるため、月次の締めや会計処理に間に合わなくなることもあります。こうした事態を防ぐためにも、仕入明細書を受け取ったら、できるだけ早く内容を確認することが大切です。

 

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取引先は24時間いつでもDEXTREを通してオンラインで売上報告ができます。

 

また、取引先ごとに貸し出している商品の数量、合計金額、掛け率などの取引条件が一覧表示でき、SKU単位での確認も可能です。

 

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