企業間取引の基本となる「受注」と「発注」に対応する受発注業務は、手順や作業が煩雑化しやすく、ミスが起こりやすいワークフローでもあります。
この記事では、受発注業務の概要や実際の流れを振り返りつつ、ミスが起こりやすいポイントや改善方法などについて解説します。
受発注の管理にお悩みの方はぜひ最後までご覧ください。
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受発注業務とは?受注と発注の違い
受発注業務は、自社の取り扱う商品やサービスの注文を顧客から受け付ける「受注」と、仕入れ先に生産や不足在庫に必要な商品を注文する「発注」に関する業務全般を指します。
受注、発注はそれぞれ次のような業務があります。
受注業務
- 見積書の作成
- 取引契約の締結
- 注文データの登録・管理
- 在庫・納期の確認と連絡
- 注文請書、受注伝票の作成と送付
- 納品書、請求書、領収書など帳票の作成と管理
- 出荷指示、納品
etc
関連記事:【受注管理システム】業務改善の具体例と自社に合った選び方
発注業務
- 在庫状況の確認
- 仕入れ先へ見積り、納期確認
- 発注書の作成、送付
- 入荷、検品
- 受領処理、検収書の作成
- 仕入れ先へ支払い
etc
関連記事:発注業務フローのミスやトラブルを改善できる具体的な方法とは?
受発注業務フロー(企業間取引)
続いて、受注側企業と発注側企業がどのようにやり取りしながら取引が進んでいくのか、受発注業務のワークフローについて詳しく見ていきましょう。
受発注業務は主に次の4フローで成り立っています。
- 見積り
- 注文確定
- 納品
- 支払い
もちろんこれは一例に過ぎず、すべての取引がこのように進行するわけではありませんが、基本的には下記のような流れに沿って受発注業務が進行します。
受注側と発注側に分けて、各フローでそれぞれの業務を見ていきます。
1.見積り
発注側
まずは発注側が見積りを依頼するところから取引は始まります。
発注側は必要な商品やサービスを取り扱う企業を選定し、見積りを依頼します。
受注側
受注側は発注側からの要望に沿って見積りを出します。
見積りは金額だけでなく納期も提示します。現実的なラインを見積り書で提示するためには社内で受注状況や在庫について情報の共有や連携がとれている必要があります。
2.注文確定
発注側
見積り内容を確認し、取引を行うにあたり発注書(注文書)を作成して、受注側に送付します。
受注側から送られてくる発注請書(注文請書)を受け取ると注文が確定します。
発注請書は作られないこともありますが、注文内容を明確にしておくことで納期遅れや納品ミスのトラブルに対処しやすくなるため、可能な限り受け取るようにしましょう。
受注側
発注書を確認し、受注の意を示す発注請書(注文請書)を作成して送付します。
発注請書には決まったフォーマットやルールなどはありませんが、一般的には
- 発行日
- 受発注者の情報(名称など)
- 商品の情報
- 納期
- 納品方法
- 支払い方法
といった情報を記載します。
また、発注者の情報や受注内容を管理しやすいように、受注システムなど登録して行います。
3.納品
受注側
注文をうけた商品・サービスを納期に合わせて生産・調達し、発注側へ納品します。
納品に伴い、出荷指示書の作成や送付手続きなどを行います。
一般的には納品書を作成し、商品と合わせて発注側へ送付します。
発注側
商品が納品されたら、検品して商品やサービスに問題がないことを確認します。
問題がなければ検収書を作成して、受注側に送付します。
4.支払い
受注側
出荷後、請求書を作成して送付します。
期日まで発注側からの入金を確認したら、領収書を送付して取引が完了します。入金確認後、入金伝票の記載も行います。
発注側
請求書を受け取ったら、期日までに記載されている金額を入金します。その後、送付される領収書を受け取って取引を完了となります。
受発注業務で起こりやすいミス
受発注のプロセス一つ一つの業務はそれほど難しくありませんが、取引先の多い企業や繁忙期にかかっている企業は、受発注業務を短いスパンで何度も繰り返しこなさなければならないため、リソースが大きく圧迫されます。
受発注業務の煩雑化は生産性の低下やヒューマンエラーの頻発につながりやすく、そういったトラブルが納品までのリードタイムが延び、取引先からの信用失墜を招くことにつながってしまいます。
受発注業務で特に起こりやすいミスとしては、次の3点のようなものが挙げられるでしょう。
1.発注側と受注側の連絡ミス
電話や口頭で取引や進捗についてやり取りする際、数字の聞き間違いや取引条件の解釈不一致、言った言わないの行き違いなど、トラブルが起こりやすくなります。
受発注に関するやり取りはメールやFAXで証拠が残る方法を徹底している企業も多いですが、メールがスパムフィルターに振り分けられて届かなかったり、大事なメールが埋もれて気づくのに時間がかかってしまうことが起こり得ます。
FAXは今も根強く使われているものの、印字が荒くなり文字が読みづらく確認の手間が増えてしまったり、ペーパーレス化や電子帳簿保存法の改正を受けた「脱FAX」の動きが行政によって推進されている背景もあり、これまで以上に利用機会が減っていくのは間違いないでしょう。
2.書類の転記ミス
受発注業務の入力作業では、書類の転記ミスが起こりやすいです。
中でも、発注者から送られてきた発注書を自社システムに入力するときのミスが多い傾向にあります。
商品の型番、日付、価格、数量などの数字の打ち間違いをはじめ、メール、FAX、Excel、自社オリジナルなどフォーマットの異なる発注書の転記作業はとても煩雑で転記ミスの防止は容易ではありません。
特に、繁忙期はミスが起こりやすく、頭を悩ませている担当者の方も多くおられるのではないでしょうか?
3.欠品トラブル、納期遅れ
欠品や納期にまつわるミスも受発注業務で起こりやすいトラブルです。
該当する商品が存在しないのに受注した、あるいは生産が間に合わないスケジュールで受注したケースなどが挙げられます。
このようなミスは、営業、生産、在庫を担当する部署間でうまく連携がとれていない場合に起こりやすくなります。
根本的なコミュニケーション不足に加え、業務の属人化やルール作りやシステム化ができていないために生じている情報共有の遅れが問題の根底に潜んでいる可能性が高いです。
受発注業務を改善するには?
受発注業務の非効率な運用のためスタッフの負荷が高く、取引先からの信頼を損ねかねないミスが増えているのであれば、今の業務体制の限界が近く、早急な対処が必要なタイミングかもしれません。
受発注業務の見直しを検討されている方は、ミスの防止と業務の効率化が見込める次のような方法をお試しください。
アウトソーシングやBPOを活用する【運用体制の改善】
受発注業務にそもそも根本的なマンパワーが足りていないことが少なくありません。
繁忙期の膨大な量の受発注業務に少数のスタッフで対応していては、どうしてもミスが起こりやすくなってしまいます。とはいえ、新しい人材の採用には時間や予算のコストが必要で、短期間での解決は容易ではありません。
アウトソーシング
採用活動が難しい場合は、アウトソーシング(業務の一部を外部委託するサービス)や人材派遣を利用してみるのも良いでしょう。
アウトソーシングは業務の指示権がアウトソース先の責任者・管理者にあるのに対し、人材派遣は自社が指示権を持つ点に大きな違いがあります。
BPO
業務プロセスの根本的な見直しを委託できるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)というサービスもあります。
BPOは業務の一時的な代行にとどまらず、根本的な受発注業務の見直しから課題の解決・業務の改善まで、豊富な知識とノウハウをいかして長期的にサポートしてくれます。
自社だけでは受発注業務の改善に向けた対応が難しい場合に利用を検討してみるのも良いでしょう。
受発注管理ができるシステムの導入【運用方法の改善】
業務フローの一部を自動化したり、ルールやフォーマットが統一されて効率化と脱属人化が進められる受発注管理システムの導入は、業務改善の有効な方法の1つです。
受発注業務は、在庫管理や売上管理など関連する業務が多く、それらが1つのシステムで管理できる総合型の販売管理システムであれば、見積りから入金まで取引やデータを一元管理することが可能になります。
受発注業務のシステム化は、これまで人の手で行っていた「発注書の自社システムへの取り込み」「発注請書や納品書の作成・送信」「受注後の在庫の引き当て」などが自動化できるようになります。
他に、
- 連絡ミスや転記ミスなどヒューマンエラーの減少
- 受注状況、在庫状況の共有による欠品や納期遅れの減少
- 受注から納品までのリードタイムの短縮
など、自社の業務改善だけでなく、取引先の信頼や満足度の向上も期待できます。
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実際に受発注のシステム化によって業務改善に成功した例として、クラウド販売管理 DEXTRE(デクスター)を導入された企業様のお声をご紹介します。
システム導入前は、顧客様からの受注に際して「さまざまなフォーマットで送られてくる発注書の取り込み、管理が煩雑」「繁忙期の受注集計業務がリソースを圧迫」「受発注のワークフローを異なるシステムで管理することによる状況確認の困難化」といった課題を抱えておられました。
DEXTREをお使いいただくことで、顧客様からの発注フォーマットが統一化され、発注から受注の流れが効率化、受注データの集計もDEXTREからExcelに簡単に出力できるため、煩雑な手作業工程が大きく減少しました。
受発注の情報はすべてDEXTREでリアルタイムに更新され、受注状況の確認が格段に容易かつスピーディーに行えるようになり、大きなメリットが生まれました。
その他、顧客様からの反応やオーダーの変化、デメリットに感じる部分などくわしくお話いただきました。
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