販売管理システムは卸売業界においても広く導入されていますが、卸売業ならではの商習慣、取引や業務フローをシステムで実現して、実際のビジネスの中でうまく運用にのせられている実例はまだ多くはありません。
本記事では、卸売業が販売管理システムを導入することによってワークフローはどのように改善するのか、具体的な例や、実務を考えたシステムの選び方等について解説させていただきます。
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INDEX
卸売業が業務管理で抱える課題
メーカーと小売業者をつなぐことでスムーズな物流を構築する卸売業。
日本のビジネスを支える上で重大な役割を担っています、卸売業者は商習慣や業務の性質上、業界ならではの問題を多く抱えています。
企業によってその内容は千差万別ともいえますが、ほとんどの卸売業者が、
- ヒューマンエラーの頻発
- 在庫管理の適切化
- 複雑な価格管理への対応
の3つが共通した課題にあげられるのではないでしょうか。
以下、詳しく見ていきましょう。
ヒューマンエラーが頻発する
業務に人間が関わる以上、ヒューマンエラーは切っても切り離せないものですが、卸売業においては特にそれが顕著だとされています。
卸売業では多様かつ大量の注文を異なるプロセスで処理する必要があり、場合によっては厳しい納期で時間的制約に縛られることもあります。
また、オーダーフォーマットを統一していない場合は、業者によってメールやExcel、企業独自のフォーマット等々…さまざまな形式で注文書が送られてくることになります。
こういった複雑な業務のプロセスを日々行っていると、当然に見間違いや聞き間違い、情報共有の漏れ、誤入力などミスが起こりやすくなり、納品間違いや納期遅れといった顧客からの信頼低下につながる状態が発生することとなります。
ヒューマンエラーへの対処は、卸売業の抱える大きな課題と言えるでしょう。
在庫管理の効率が悪い
在庫管理は卸売業者にとってキモともいえる重要なワークフローです。
在庫が不足していると、顧客ニーズにタイムリーに、スピーディーに応えることができず機会損失となる一方で、過剰な在庫数の保持は管理コストの増加や品質劣化といった損失につながる恐れがあります。
卸売業では需要と供給のバランスを考慮した上で、在庫状態を常に適切なレベルに保つようコントロールする必要があります。
こういった判断は、常に在庫数を正しく把握できる環境と顧客需要を予測できるような販売データの分析なしには成り立ちません。
双方を両立できるようなシステムの構築は、卸売業において重要な課題です。
価格設定が複雑な取引が原因となるミス
卸売業では同じ商品を顧客ごとに違った価格、割引率で販売することがあります。
また、取引の形態(BtoB、BtoC、異なる国との海外取引等)によって異なる条件を適用し、個別に価格設定を行うことも卸売業では一般的です。
このような商習慣は、扱う商品が多い卸売業の価格管理や受注管理をより一層煩雑にする要因になります。
顧客ごとに取引条件を分け、適切に価格設定を管理する作業は、人的なミスの温床となりやすいものです。
また、市場は常に変化するものですから、競合他社の価格変動や季節要因も価格に影響を与えます。
価格管理や受注管理をすべてアナログな手法で行うことは、業務の煩雑化を招くばかりでなく、ビジネスの環境変化への対応の遅れにもつながります。
販売管理システムはどのように課題を解決できるのか?
上記のような課題は、卸売業の販売活動に携わる担当者を悩ませてきました。
しかし、近年では販売管理システムの導入によってこの問題が大きく改善されつつあります。販売管理システムは、
- 受注管理
- 製品管理
- 在庫管理
- 納品管理
- 請求管理
- 入金管理
- 顧客管理
- 集計・分析
といった業務フローをつなげて一元管理することが可能になります。
販売管理システムには各業務をより効率化できる機能があり、長年の課題を解決するだけなく、ビジネスに新たな付加価値を生み、成長を後押しする役割が期待できるのです。
このような環境の変化が卸売業をどう変えるのか、上述した課題ごとに見ていきましょう。
「ヒューマンエラー」受注データからの一元管理で大幅削減
販売管理システムは、受注から入金まで販売に関する業務管理を一元化することで、大幅なタスクの減少やヒューマンエラーの削減が期待できます。
帳票作成を例にすると、販売管理システムを通して取引先がWEB注文する、または受注データを入力すると、取引に必要な帳票が自動的に作成されます。
帳票の記載する項目を自由に追加、変更することもできます。
販売管理システムでは、主に次のような帳票が受注データを起点に作成され、取引内容の変更もそれぞれに反映されます。
- 注文確認書
- 納品書
- 請求書
- 返品伝票
- 発注伝票
- 入荷伝票
- 貿易書類
- 入金確認書
転記作業の自動化は、納品ミスを防ぐだけでなく労働環境の改善、担当者の満足度向上といった視点から見ても、大いに効果的といえるでしょう。
取引先からは販売管理システムを通してオーダーをいれてもらうことによって受注データのフォーマットが統一され、「顧客ごとに違った形式で送られてくる注文書の管理が煩雑だった」といったような問題も解消することができます。
また、商品の詳細な情報、取引の進行状況を顧客とリアルタイムで共有できるなど、双方にとって安心感と満足度の高い取引を実現できます。
「在庫管理」全体の在庫状況をリアルタイムに共有、データ分析で取引先の満足度もUP!
受注管理と在庫管理が販売管理システムでつながることによって、受注データを元に在庫情報が自動的に更新されるようになります。
各拠点で分散していた在庫データがシステム上でつながり、システムにアクセスできるすべてのスタッフの間で全体の在庫状況が「見える化」します。
全てのスタッフが在庫の過剰・不足を、場所を問わずいつでも確認できる環境は、リードタイムを縮め、適切な在庫レベルを維持するのに非常に効果的です。
加えて、従来生じていた在庫確認の手間や業務の属人化といった問題も解決されます。
また、販売管理システムは受注データを自動的に集計・分析した売上管理ができます。
どの商品がいつ、どれだけ売れたかが一目で分かるようになり、需要予測が立てやすくなります。
時期ごとの売れ筋を正確に知ることは適切な在庫レベルの維持に役立つだけでなく、顧客のニーズや購買行動が分析でき、商品開発やマーケティングの面から見ても有用なデータを集めることができます。
「複雑な価格管理」1つの商品に複数の価格を紐づける
販売管理システムには、1つの商品に複数の価格、取引条件を紐づけて管理できます。
例えば、海外との取引であれば、関税や掛け率、貿易条件を反映した価格などを取引ごと、または国ごとに設定し、1つの商品に複数の設定を紐づけることで、従来の面倒な作業がクリック一つで簡単に処理できるようになります。
卸売業にとって非常に煩雑でミスの発生しやすい価格の管理を、こういった機能を用いることで大幅な改善が見込めます。
どのような取引条件でも柔軟に対応できる環境の構築は、ミスの防止だけでなく、新たなビジネスチャンスの獲得にもつながる重要なものです。
卸売業が販売管理システムを選ぶ、はずせない2つのポイント
以上に紹介してきたように、卸売業が販売管理システムを導入することは、非効率で負担の多い問題を解消し、劇的に業務を効率化します。
ですが、「販売管理システムならなんでもいいのか」というとそういうわけでもありません。
卸売業にとって重要な点を踏まえた上で、販売管理システムを選ぶポイントを2点お伝えします。
1.どこからでも販売管理にアクセスできる
販売管理に関わる全てのスタッフ、特に在庫管理や受注管理、納品管理の担当者が常に最新の情報をチェックして対応できる体制が整った販売管理システムの大前提となります。
PC、タブレット、スマートフォンと、あらゆるデバイスからのアクセスに対応したシステムを導入しましょう。
おすすめはクラウド型(SaaS)の販売管理システムです。
クラウド型は全てのデータ、機能がオンラインで管理されているため、ネット環境さえあればどこからでもアクセスすることができます。アクセスできるスタッフを制限することが可能で、セキュリティ対策が堅牢である点も重要です。
また、クラウド型はサーバー、ソフトウェアを全てシステムを提供する事業者側が提供するため、
- 初期費用、導入費用がかからない
- ランニングコストが安い
- 契約後すぐに利用できる
- 外部システムと連携できる
- 無料体験がある
- 導入や移行、社内浸透のサポートが手厚い
といった、さまざまなメリットが数えられます。
特に「はじめて販売管理システムを導入する」という卸売業の企業様にはクラウド型をおすすめします。
2.自社のビジネスモデルに合っている
販売管理システムは業種ごとに多様化し、卸売業に特化したシステムも増えてきました。
卸売業に特化しているシステムは、在庫管理や価格設定、取引条件の充実に力を入れていますが、機能の内容はもちろんのこと、何より重要なのは自社のビジネスモデル、業務フローと合っているか、です。
- 卸売業の商習慣を反映している
- 取引先ごとの条件や価格
- WEB受注、リンク型発注、代理注文など多様な受注チャネル
- 複数の種類の請求書や納品書が作成できる
- 製品マスタとして使える
- 海外と国内の取引を1つのシステムで一元管理できる
上記のような機能が、リアルでの取引と同じように自社の業務フローを再現できるか、確認する必要があります。
その上で、わかりやすく直感的に操作できることが理想的です。無料体験があれば、積極的に試してみましょう。
例えば、食品の卸売業に特化したシステムなら、消費期限を管理する機能が充実していたり、アパレルに特化したシステムなら素材に関する項目を追加できたりオンライン展示会に対応していたりと、業種よって異なるニーズを追及したシステムがあります。
ただ業務を一元化するだけでなく、自社に適している販売管理システムを取り入れることで、より高い費用対効果を得ることができます。
卸売業に特化したクラウド型販売管理システム「DEXTRE」
クラウド販売管理 DEXTRE(デクスター)は卸売業に特化したクラウド型の販売管理システムです。
今回ご紹介したようなさまざまな機能を備えているほか、
- 国内、海外取引の価格設定、条件設定に対応
- 多言語多通貨で卸売の販売管理
- 輸出帳票が簡単に作成できる(コマーシャルインボイス、パッキングリスト等)
- WEBオーダーカタログ(オンライン展示会)で世界中に詳細な商品情報を発信
といった、グローバルに展開する卸売業の企業様に向けた機能が充実しています。
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