在庫管理コストがかさむと、キャッシュフローが悪化し、過剰な在庫管理コストは、適切な在庫管理が行われていないために無駄な費用が発生しているケースもあります。
この記事では「在庫管理コスト」について概要や相場、過剰なコストが発生している原因とコスト削減に役立つツールについて解説します。
在庫管理コストのかかりすぎに頭を悩ませている、業務フローの見直しを検討されている担当者様は、ぜひ最後までご覧ください。
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在庫管理コストとは?
在庫を保有することによって発生する諸々の費用を在庫管理コスト(在庫コスト)と呼びます。
在庫管理コストとは、在庫の品質や数量を管理しつつ、商品を流通に乗せるために必要となるあらゆる費用を指しています。
例えば、
- 人件費 : 在庫管理部門のスタッフ
- 設備費 : 倉庫を運用する設備
- 保管費 : 倉庫の利用
などは、比較的見えやすい在庫管理コストです。しかし、在庫管理コストには次のような費用も計上されます。
- 棚卸評価損 : 商品の品質劣化や需要の低下により価値が下がった場合の損失
- 価格補償費 : 値下げキャンペーンなどで小売店側に一方的に損失が起こった場合、差額分の補填に充てられる
- 返品費 : 返品に伴う損失や返送費、廃棄コスト
在庫管理コストの相場
在庫管理コストの相場は、業種やビジネスモデルによって異なりますが、一般的には在庫金額の15~25%程度とされています。
この数値を上回っていると、無駄な作業や非効率的な業務フローが在庫管理コストがかさむ原因となって、収益を圧迫している可能性が高いです。
「在庫管理コスト」と「在庫金利」の違い
在庫管理コストの関連した用語に「在庫金利」があります。
在庫金利とは、在庫管理コストの一部を金利に置き換えて考える指標です。
例えば、在庫金利が5%だとすると、1,000万円分の在庫を維持するためにかかる管理コストは50万円ということになります。
在庫金利は一般的に、「加重平均資本コスト(企業が資金を調達する際に発生するコストの平均値を、各資金源の割合に基づいて計算する方法)」によって求められますが、これはあくまで理論上の指標に過ぎず、実際に発生する費用である在庫管理コストとは異なります。
在庫金利は管理会計上の指標であり、主に在庫管理業務の見直しや、利益とコストのバランスを把握する際に用いられます。
在庫管理コストが過剰になる4つの原因
在庫を維持するために在庫管理コストは必ず発生する費用ですが、費用のかけすぎには注意が必要です。
過剰な在庫管理コストが発生している現場で特に起こりやすい問題を4つご紹介します。これらに該当する場合は、業務の見直しを行うことで在庫管理コストを削減できる可能性があります。
①ロケーション管理がうまくいっていない
倉庫内に住所を割り当てて商品を管理する方法を「ロケーション管理」と呼びます。
倉庫内作業を効率化するために導入されている管理方法ですが、過剰な在庫管理コストが発生している現場では、ロケーション管理がうまく回っていないことがあります。
例えば、倉庫内の空いた場所に商品を置いていく「フリーロケーション」は、いざという時に目当ての商品がなかなか見つからず、ピッキングに無駄な時間がかかってしまいます。フリーロケーションは入出庫の頻度が高いアパレル業や食品業と相性が良いということもあり、こういった問題は特におこりがちです。
また、在庫管理業務の多くを人力に頼っている現場では、ロケーションの記録漏れや共有の遅れなどヒューマンエラーが起こりやすい点にも注意しなければなりません。
上記のような無駄な作業が常態化してしまうと、スタッフの負担が増すとともに、残業代や光熱費がかさみ、在庫管理コストが膨れ上がることになります。
ロケーション管理に起因する在庫管理のトラブルが頻発しているなら、管理方法を見直す必要があるでしょう。
②適正在庫が保てていない
在庫管理の最大の目的は「適正在庫の維持」です。
最適な在庫量を維持し続けることで、在庫管理コストを一定に保ちつつ、欠品による機会損失リスクをおさえることができます。
反面、適正在庫を維持できていないと、機会損失や顧客からの信用失墜につながるだけでなく、余剰在庫や不良在庫も生まれやすくなり、結果として無駄な在庫管理コストがかさむことになってしまいます。
適正在庫をうまく維持できていない原因は、在庫管理の仕組みが最適化できていないことが多いです。
対策の例としては、商品ごとの発注タイミングや発注点など発注ルールの設定や、過去のデータ分析に基づく需要予測など在庫の発注業務を整備すると、適正在庫を維持しやすくなります。
現場のリソースが不足しているなら、定期発注・定量発注を自動化するツールや、データ自動分析ツールを利用すれば、最小限のリソースで計画的な発注を進められるようになります。
③棚卸資産を正確に把握できていない
棚卸資産を正確に把握できていないと、不良在庫がたまって保管スペースを圧迫し、在庫管理コストが増加している可能性があります。
こういったケースには「低下法」での棚卸資産の評価が適しているとされています。
低下法とは、商品の仕入れ値と時価のうち、低い方の価格を適用する算出方法です。棚卸評価損が明確になり、不良在庫の処理や仕入れ計画の最適化が行いやすくなります。
低下法による算出を効率的に行うには、基幹システムによる価格管理や価格調査ツールが役立ってくれるでしょう。
棚卸資産の評価方法については業種や企業ごとの商慣習によって適正な方法が異なるため一概にはいえませんが、不良在庫による保管スペースの圧迫が目立つなら、棚卸資産の評価方法を見直してみるべきかもしれません。
④アナログなツールに頼っている
アナログなツールや方法で在庫管理を行うと、手作業の工程でのヒューマンエラーや情報共有の遅れが、過剰な人件費や余剰在庫が発生する原因になります。
紙やホワイトボードで在庫管理表を運用することはもちろん、電話やFAX、メールによる情報伝達は共有スピードが遅い上に、数字や商品名の書き間違い、聞き取りミスが発生しやすく、手間と時間がかかる作業が現場の負荷を高めてしまいます。
また、在庫管理に広く利用されているExcelも、手入力の工程が多い、高度な処理だと担当者以外の改修や引継ぎができない、リアルタイムな情報共有が難しいなどがデメリットとされます。
こういったアナログなツールを使った非効率な在庫管理によって無駄な在庫管理コストが生じているなら、在庫管理に適したクラウドサービス(SaaS)やITツールの導入を検討する時期でしょう。
ユーザビリティやコストパフォーマンス、サポートなど「導入しやすいシステム」に重点を置いたクラウドサービスが数多くリリースされており、中小規模の事業者でも在庫管理をシステム化しやすい環境ができています。
在庫管理コストを削減する方法
上述したような在庫管理の問題が顕在化しているなら、在庫管理システムやバーコードスキャナなど、デジタルツールによるDX(デジタル・トランスフォーメーション)が在庫管理コストの削減に有効となるでしょう。
在庫管理システム
在庫管理のDX、コスト削減に欠かせないのが在庫管理システムです。
在庫管理システムとは、在庫管理の業務を効率化するシステム全般をいいます。
- 在庫の数量
- 保管場所
- 入出庫の記録
- 在庫の引き当て
- 在庫の発注・入荷
- 返品の記録
など、各拠点の在庫データをシステム上で記録、保管して一元管理することが可能となります。販売管理システムや倉庫管理システム(WMS)にも同様の機能が搭載されています。
在庫管理のシステム化は、欠品や過剰発注などトラブルの防止はもちろん、人的リソースの省力化や部署や拠点間でのリアルタイムな情報共有、在庫データの正確な把握など業務フローの効率化を実現できます。
特に、先述した在庫管理コストの問題は在庫管理システムをうまく利用することで、大幅な改善が期待できます。
ロケーション管理 | 在庫商品の保管場所をリアルタイムに管理、倉庫内作業の無駄を大幅に削減。 |
適正在庫の維持 | 在庫状況の正確な把握によって欠品や過剰発注が大幅に減少。 指定した時期や発注点による自動発注、データ分析による需要予測が可能になる。 |
棚卸資産の正確な把握 | 在庫商品の仕入れ価格データを外部の価格調査ツールと連携、仕入れ値/時価を管理、低価法での算出を自動化。 |
発注、仕入れ | 在庫数に応じて発注数を自動で計算。発注書など伝票を電子データで発行。在庫が入庫したら、店舗の在庫数に自動で反映。 |
アナログツールからの脱却 | 情報共有に伴う無駄な作業や伝達・入力ミスなどヒューマンエラーが減少。使いやすいシステムでの管理が、リアルタイムな情報共有や属人化の防止を実現。 |
これから在庫管理システムを導入するなら、クラウド型を比較、検討してみることをおすすめします。
インターネットを通じてシステムを利用するクラウド型は、導入費と維持費を低コストにおさえられ、短期間でシステムの運用を始められるメリットがあります。
無料体験を提供しているクラウドサービスも多く、スタッフに実際の操作性を確認してもらい、自社の業務フローや商習慣に合っているか確認してから導入することができます。
クラウド型の在庫管理システムは今や中小企業や小規模事業者の間でも広く普及しており、在庫管理を効率化する主要ツールとなっています。
バーコードスキャナ
バーコードスキャナと在庫管理システムと連携すると、商品コードや数量を手入力することなく、在庫の入出庫や棚卸のデータをシステムに登録できるようになります。
バーコードスキャナは、在庫商品や荷物のバーコードを読み取るだけで照合が完了します。
商品の数を手で数えたり、桁数の多い型番を確認したりといった面倒な作業が必要なくなります。スマートフォンで利用できるバーコードスキャナでは、より柔軟な運用が可能です。
入力ミスや記載漏れなどヒューマンエラー防止になり、倉庫内での作業時はバーコードで保管場所を確認できるなど、ロケーション管理の効率を大橋向上できます。
特に、細かい部品や似ている製品をいくつも扱う製造業や、商品がかさばるアパレル業の在庫管理にバーコードスキャナは高い導入効果をえられるでしょう。
まとめ
在庫の保有量は利益に直結するといっても過言ではない重要なものですが、保有しているだけで諸々のコストが発生する側面もあります。
これからの在庫管理では、デジタルツールやシステムを利用して適正在庫を維持し、機会損失リスクや過剰な在庫管理コストを削減する運用が求められます。
在庫管理の見直し、コスト削減にはシステム化が第一の選択肢となります。まずは無料体験のあるクラウドサービスを検討してみることをおすすめします。
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