メーカーや卸売、小売の取引で必須となる掛け率ですが、関連用語が多い上に管理も煩雑と、しばしば担当者の頭を悩ませる存在でもあります。
この記事では、掛け率と関連する用語についての基本的な概要と、ITツールを用いた効率的な掛け率の管理についてご紹介します。
卸売、商社、メーカー向け
クラウド販売管理 DEXTRE(デクスター)
国内取引、輸出取引を取引先ごとの価格、条件でオンライン受注。在庫、納品、請求、入金までひとつながりに管理できます。
貿易書類の発行もかんたん、多言語多通貨対応です。
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掛け率とは?
掛け率とは、商品の小売価格に対して卸価格(仕入値)が占める割合を指します。
簡単な例では、小売価格10,000円の商品の掛け率が60%だった場合、卸価格は6,000円となります。
取引の現場では、「6掛け(掛け率60%)」「7掛け(掛け率70%)」と掛け率に応じた表現もよく使われます。
掛け率の相場
掛け率の相場は業種によって異なりますが、一般的には40~70%程度が適用されます。
相場の一例としては、以下の通りです。
飲食業 | 約40% |
アパレル業 | 約50%~60% |
食品業 | 約70% |
もちろん、掛け率は商品の購入形態や企業間の契約、取引の内容、消費者ニーズなど条件によって変動するものですが、目安として業種や事業領域の相場を把握しておくようにしましょう。
「掛け率」と「仕入れ原価率」
掛け率とセットとなる用語に「仕入れ原価率」というものがあります。
意味するところは全く同じなのですが、掛け率は商品を販売する側(メーカー、卸売業)から見た用語であるのに対し、仕入れ原価率は商品を仕入れる側(卸業者、小売業者)から見た掛け率という点に違いがあります。
「卸価格」と「仕入価格」
同じように、仕入価格も立場によって「卸価格」(メーカー、卸売業側)と「仕入価格」(卸業者、小売業者側)と呼び方が異なります。
些細な違いのようですが、流通や卸取引の商談では【自分がどの立場にいるか】【その取引をどの立場から見るか】が重要となるため、意識して使い分ける必要があります。
「上代」と「下代」
「掛け率」と合わせておさえておきたい流通ビジネス用語に「上代」「下代」があります。
上代
上代(じょうだい)とは、一般消費者(エンドユーザー)へ商品を販売するときに設定される価格のことです。
一般的に「小売価格」と呼ばれています。
上代とよく似た言葉に「参考上代」がありますが、こちらはメーカーや卸業者が小売業者に向けて「この商品はこの価格で売って欲しい」と設定した価格のことを言います。「メーカー希望小売価格」と呼ばれることも多いです。
「参考」「希望」という言葉が示す通り、参考上代やメーカー希望小売価格はあくまでも指標に過ぎないため、実際には異なる価格で販売しても問題ありません。
上代 = 下代 ÷ 掛け率
「上代」と「定価」の違い
「上代」に関連する用語として「定価」があります。一般的には定価の方が馴染みがあるかもしれません。
上代と違う点は、定価は価格設定に拘束力を持っている点です。
上代は小売業者の判断で自由に決定できる一方、定価のついた商品はメーカーが定めた価格で販売しなければなりません。
ただ、現在の日本では独占禁止法によって定価の設定が制限されています。
定価が認められているのは書籍、CD、新聞等の著作物など、一部の品目にとどまります。
下代
下代(げだい)は小売業者が商品を仕入れるときに、仕入先が設定した価格のことです。
「卸価格」「仕入価格」と意味するところは同じです。
下代 = 上代 × 掛け率
流通の取引では、
「上代は15000円なのですが、掛け率は7掛けでお願いできますか?」
「この下代だと少し厳しいので、もう少し掛け率を上げられないか交渉してみてください。」
といったように、商品価格に関する専門用語が頻出します。
「掛け率」「〇掛け」「上代」「下代」などは、その中でも基本の基本と言えるものです。
掛け率管理のシステム化【卸取引のDX】
流通ビジネス、特に卸取引では、掛け率を効率的に管理できることが重要です。
なぜなら、卸取引では顧客との関係性や季節要因、流行や消費者ニーズなど市場環境の変化といった多くの条件を反映して、同じ商品であっても異なる掛け率が適用されるからです。
ひとつの商品に数十種類の卸価格が存在することも、卸を扱う企業では珍しいことではありません。
一昔前は、多くの卸売業の企業は、膨大な価格設定をすべて人力で管理していました。
そのため、取引の度に売上帳や仕入帳を確認しなければならない上に、ヒューマンエラーも頻発しやすく、煩雑なワークフローとなっていました。
しかし、現在ではDXの推進を背景に、このような問題に対処する卸売に特化したシステムやソフトウェアが登場し、卸取引は大幅に効率化しています。
クラウドサービスをはじめ月額数万円ほどで利用できるシステムも増え、価格管理のシステム化は企業規模を問わず導入可能なものとなっています。
卸取引に特化したクラウド販売管理システム「DEXTRE」
クラウド販売管理 DEXTRE(デクスター)は、国内外の卸取引に特化したクラウド販売管理システムです。
受発注から在庫、納品、請求、入金まで販売管理業務を一元管理できます。初期費用は0円、月額20,000円からご利用いただけます。
価格管理は、SKU単位での価格設定が可能で、顧客ごとの掛け率や割引率も設定できます。
DEXTREで設定できる、商品の価格管理の項目は次の通りです。
- 製造原価(仕入原価)
- 小売価格
- 卸価格
- 上代価格
- インコタームズ2020に準拠した卸価格(EXW、DDP、FOB)
- 消費税
- 関税、そのほか任意の税率
顧客との卸取引は、招待した顧客ごとに価格や商品など取引条件を設定したクローズドBtoB ECを通してオンラインで完結できます。
特別梱包といった追加サービスの料金や関税など、自社の商慣習や業務内容に合わせた取引条件を追加で設定することも可能です。
ほかにも、DEXTREには、
- 受注データを起点に在庫、納品、請求、入金まで一元管理
- 日中英3言語23通貨で取引、画面操作
- クローズドBtoB ECから24時間365日世界中からWEB受注
- 取引先ごとの価格、掛け率、貿易条件など複数条件で取引
- 輸出に必要な貿易書類をかんたん作成
など、商社、卸売、メーカーの企業様に向けて国内外のBtoBに特化した販売管理の機能が充実しています。
まとめ
卸ビジネスにおいて理解が欠かせない「掛け率」と関連する用語、システムによる効率的な価格管理についてご紹介しました。
掛け率は意味や計算方法自体に難しいところはありませんが、卸売りの取引では管理が煩雑化しやすく、事務的なコストが負担となっていまし。しかいし、デジタル化の波を受け、こういった状況は大きく改善されています。
特に、多くの取引先を抱え、多種多様な商品展開で取り扱い商品数が多い企業なら、掛け率など価格管理のシステムによる効率化は必須といえます。
卸取引の販売管理システムには、商社やメーカーに向けてアパレル、食品、医薬品、電子部品など業種ごとに必要な機能が備わった特化型が多くあります。
システムの選定に迷った際は、自社の業種や業務フローに合ったシステムかどうかを重視して、無料体験やサポートを積極的に活用した比較検討をおすすめします。
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