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生産者やメーカーと小売業の間に立つ卸売業は、流通の要です。
請求書は販売した商品の代金をスムーズに回収し、次の商品を仕入れる資金を得るうえで重要な書類です。
請求書に決まったフォーマットはありませんが、記載すべき項目は決まっています。
適切なタイミングで、正しく作成し送付しなければなりません。
この記事では卸売業向けに、請求書の作り方にフォーカスを当てて解説します。
卸取引での請求書に含めるべき項目は何か、どう作成するか、送付方法に加えて、請求書を受け取った場合のチェックポイントも解説します。
請求書をスムーズに作成したい担当者様は、ぜひお読みください。
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請求書が卸売業にとって重要な理由
卸売業の業務を運営するにあたり、請求書は欠かせない書類です。
請求書がなぜ重要なのかを、4つの項目に分けて確認していきましょう。
「請求書を受け取る」生産者や他の卸売業者から購入した場合
生産者や他の卸売業者から物品を購入することは卸売業の日常的な業務の一つです。
いわゆる「仕入業務」を指し、卸売業では必要不可欠な業務です。購入後は代金を支払う必要があるため、取引先から請求書を受け取ることになります。
「請求書を発行する」小売業などに販売した場合
卸売業は仕入れた商材を、他の卸売業者や小売業者に販売します。売上や利益をあげるために欠かせない業務です。
販売後は取引先に請求書を発行し、売掛金を回収します。
請求書は7年間の保管が義務付けられている
請求書は発行した側、受け取った側ともに、7年間の保管が義務付けられています。
7年間が始まる日は、事業年度ごとに定められた確定申告書の提出期限の翌日であることに注意してください。このため請求書を発行または受け取った時期によっては、8年前後の保管を要するかもしれません。
請求書と請求明細書、納品書、領収書との違い
請求書に関連する用語には、請求明細書や納品書、領収書があります。
請求書との違いを、以下の表でご確認ください。
書類 | 請求書との違い |
---|---|
請求明細書 | 請求書は代金の支払いを求める金額を示し、請求明細書は請求の内訳を示す さまざまな商品を納品した場合、請求書で請求額の総額を、請求明細書で請求内容の詳細を示せるため便利 |
納品書 | 納品書は商品の納品やサービスの提供を証明する書類 請求書は代金の支払いを求める書類 |
領収書 | 請求書は代金の支払いを求める書類 領収書は代金の受け取りを証明する書類 |
請求書に記載する情報
貴社が発行する請求書には、以下の項目を記載しておくことが必要です。
- 貴社名、住所、連絡先(電話番号やメールアドレスなど)
- 請求書を発行した年月日
- 販売した商品名、金額、数量、販売した年月日
- 消費税額および適用される消費税率
- 宛先となる事業者名
- 支払日、支払方法(銀行振込の場合は、振込先の口座番号)
アパレルなど業界によっては、以下の事項が含まれる場合もあります。
- カラー
- サイズ
- 上代(「じょうだい」小売店が消費者に販売する際の価格)
- 参考上代(メーカー側の希望小売価格)
- 下代(「げだい」小売業者の仕入額。卸売業者の販売価格)
これらの情報は、請求明細書や納品書などと組み合わせることも可能です。請求書を数多く発行する場合は、請求書番号を記載しておくと探しやすいでしょう。
適格請求書発行事業者が請求書を発行する場合は、インボイスに関する情報も記載する
貴社が適格請求書(インボイス)発行事業者の場合は、以下に挙げる項目を請求書に含める必要があります。
① 請求書を発行する、適格請求書発行事業者名や登録番号
② 販売年月日
③ 販売した商品やサービスの内容(軽減税率の対象となる場合は、その旨を記載する)
④ 税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分し、合計した金額(適用税率も記載する)
⑤ 税率ごとに区分した消費税額等
⑥ 宛先となる事業者の氏名又は名称出典:国税庁 適格請求書の様式 問25
上記は、インボイス制度により定められた項目です。
請求書に記載を要する一般的な項目のほかに、インボイス登録番号や消費税率ごとの合計金額、消費税額の記載を要することに留意してください。
一方で、請求書の書式に指定はありません。上記の要件が含まれていれば、貴社に合った書式で請求書を作成できます。
卸売業ならではの「掛払い」と「合計請求書」
卸売業の場合、業者間での取引は頻繁に行われます。
日々請求書を交わしていたのでは業務が煩雑になり、事務作業にかかるコストも増大します。このため締め日を設け、一定の期間に取引した分を後日まとめて支払う「掛払い」が一般的です。
複数の納品分をまとめて請求する合計請求書(合算請求書)も、よく使われます。合計請求書とは?ビジネスでのメリット、作り方やインボイス制度対応の方法を解説記事もご参照ください。
請求書の作成、送付方法
請求書は、以下の要領で作成してください。あらかじめ請求書のフォーマットを決めておくと、作成しやすいでしょう。
- 請求内容を把握する
- 請求書のフォーマットに従い、請求書を作成する
- 請求書を印刷する。またはPDFなどの形式に変換する
- 宛先に送付する
1.の請求内容の把握は、重要な項目です。
どの商品をいつ納品し、数量や金額はいくらか、またどの税率が適用されるかという点を確認してください。宛先となる事業者名や代金の振込先となる口座名、口座番号も正しく記載しましょう。
4.の請求書の送付方法には、印刷して郵送するほかに、FAXや電子メール、請求管理ツールで送付する方法があります。請求書の送付先と協議したうえで、送付方法を決めましょう。
請求書は電子メールなど電子的な方法で送付できる
IT化の進展やインボイス制度の開始に伴い、証憑を電子的に保管する企業も増えてきました。保管スペースが不要、送付後すぐに入手できる、郵送料がかからないなどの理由で、電子的な送付を求められるケースもよくあります。
請求書は電子メールなどの方法で送付可能です。PDFは、よく使われるファイル形式の一つです。
請求書の作成は販売管理システムや請求管理システムの活用が便利
請求書は請求管理システムや販売管理システムなどITツールを使うことで、システム上でも作成、送信できます。
修正しやすいこと、手で書く手間を省けることに加えて、取引に関するデータを一元管理できるため、請求書の作成に必要な情報を簡単、迅速に得られる点も魅力的です。
クラウド販売管理 DEXTRE(デクスター)は弊社が提供する販売管理ツールで、請求書の発行機能も備えています。簡単な操作で、卸取引で使われるさまざまな請求書を発行できることが魅力の一つです。
受け取った請求書を確認するポイント
卸売業では、請求書を受け取ることも日常的にあります。内容を確認することは正しく支払うだけでなく、税務上の対策としても重要です。
ここからは受け取った請求書を確認する、4つのポイントを確認していきましょう。
①商品名や金額、数量などに誤りがないか確認する
請求書は取引先や顧客が受け取る、納品済みの商品について代金を請求する書類です。
品目や数量に誤りがあると、受け取っていない商品の代金を請求される事態になりかねません。また金額に誤りがあると、想定よりも代金を多く、または少なく支払うことになってしまいます。
請求書を受け取ったら、商品名や数量、金額に誤りが無いか確認しましょう。業種によっては、サイズやカラーを確認する必要もあります。消費税率の確認も、忘れずに行ってください。
②インボイス制度の要件を満たすか確認する(発行元が適格請求書発行事業者の場合)
卸売業の場合、適格請求書発行事業者が発行した請求書を受け取るケースも多いでしょう。
この場合は、インボイス制度の要件も確認する必要があります。
記載された登録番号が正しいかどうかは、国税庁インボイス制度 適格請求書発行事業者公表サイトで確認できます。
③免税事業者からの仕入れは仕入税額控除の額が減ることに注意
免税事業者から仕入れをおこなった場合、仕入税額控除は使えません。
仕入額の10%や8%に相当する消費税額を全額納付しなければならず、貴社の負担も大きくなるでしょう。
2029年(令和11年)9月30日までは経過措置があり、免税事業者からの仕入に係る税額について、80%または50%を控除できます(下表参照)。請求書を発行する側となる卸売業者の負担を、一定程度軽減できるでしょう。
経過措置の期間 仕入税額控除の割合 令和5年10月1日から令和8年9月30日まで 仕入税額相当額の80% 令和8年10月1日から令和11年9月30日まで 仕入税額相当額の50%引用:国税庁 問113 免税事業者等からの仕入れに係る経過措置)
④請求書の金額が1万円未満となる場合の特例
請求書の金額が1回の取引につき1万円未満(消費税込み)にとどまる場合は、インボイスを保存しない場合でも、以下に挙げる項目を記載した帳簿の保存だけで仕入税額控除をおこなえます。
この特例は「インボイス少額特例」と呼ばれており、年間売上高が1億円以下などの要件を満たす事業者が、2029年9月30日までの仕入れに関して適用できます。
- 仕入先の企業名または氏名(取引先コードなどの記号・番号等でも可)
- 仕入年月日
- 取引内容(軽減税率が適用される場合は、その旨を記載することが必要)
- 仕入金額
この特例は、1回の取引につき1万円未満という制約があることに留意してください。領収書を分けて発行してもらった場合でも、1回の取引額が1万円以上の場合は対象外です。
卸売業なら把握しておきたいインボイス制度3つの特例
インボイス制度には、3つの特例があります。
卸売業の業種によっては、特例を踏まえた対応が求められるかもしれません。
請求書を正確に取り扱うためにも、これから紹介する特例の内容を把握しておきましょう。
農協や漁協に出荷する場合の特例
農業協同組合(農協、JA)の組合員が農協に向けて出荷する場合、または漁業協同組合(漁協)の組合員が漁協に出荷する場合、組合員(生産者)の代わりに農協や漁協がインボイスを発行します。
卸売業者はこの書類を使って仕入税額控除をおこなえるため、組合員一人ひとりにインボイスの発行を求める必要はありません。また組合員は、適格請求書発行事業者であることを要しません。
この特例を利用するためには、組合員が農協または漁協に対して、以下のどちらかで販売を委託する必要があります。
販売を委託する方式 説明 無条件委託方式 出荷した農林水産物について、売値、出荷時期、出荷先等の条件を付けずに、その販売を委託すること共同計算方式 一定の期間における農林水産物の譲渡に係る対価の額をその農林水産物の種類、品質、等級その他の区分ごとに平均した価格をもって算出した金額を基礎として精算すること
卸売市場特例
生産者が卸売市場に向けて出荷する場合、卸売業者は卸売市場が発行するインボイスを使って仕入税額控除を行えます。
個々の生産者に対して、インボイスの発行を求める必要はありません。また生産者は、適格請求書発行事業者であることを要しません。
この特例を利用するためには、生産者が以下のいずれかの卸売市場に向けて出荷する必要があります。また商品の種類は、卸売市場で扱う生鮮食料品等の品目に限られます。
①:農林水産大臣の認定を受けた中央卸売市場
②:都道府県知事の認定を受けた地方卸売市場
③:①及び②に準ずる卸売市場として農林水産大臣が財務大臣と協議して定める基準を満たす卸売市場のうち農林水産大臣の確認を受けた卸売市場
媒介者交付特例(委託販売を行う場合)
媒介者交付特例は委託販売をおこなう場合に、受託者が委託者に代わってインボイスを交付できる特例です。
卸売業者はこの書類で仕入税額控除をおこなえるため、委託者一人ひとりに対してインボイスの発行を求める必要はありません。
この制度を利用する場合、委託者・受託者ともに適格請求書発行事業者であることが要件となります。
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