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OMS(注文管理システム、受注管理システム)は、ECを運営する企業や小売業界で使われている、受注から発送までを一括管理できるシステムです。
この記事ではOMSが求められる背景やOMSの機能、メリットとデメリット、効果的に活用するポイントを解説します。注文管理の効率化や、迅速で正確な商品の発送を目指す担当者様は、ぜひお読みください。
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主な機能 一覧 導入事例
INDEX
OMSとはなにか?
OMSは「Order Management System(注文管理システム)」の略です。
商品の受注から発送、入金までを一括管理して、最適なオペレーションを支援するシステムです。「受注管理システム」「ECサイト一元管理システム」とも呼ばれます。
OMSは主にECサイトやECモール、アプリで販売を行う事業者に活用されています。複数のチャネルからの受注も一元管理でき、受注管理や在庫管理など一連の業務を統合した効率的な運用が可能になります。
注文管理にはデータのとりまとめや加工、出荷先への指示を含めさまざまな業務があり、ミスや遅れがあるとクレームにつながるため、正確かつ迅速な処理を効率化、自動化できるOMSが注目されています。
OMSが備える12の機能
OMSの代表的な12の機能を、以下の表にまとめました(実際に搭載される機能は利用するシステムによって異なります)。
機能 | 機能の概要 |
---|---|
受注管理 | 受注内容を管理する。 受注内容の確認、登録や変更、キャンセルなどの機能がある |
メール管理 | 注文した顧客へ受注確認や発送の予定、発送済みの連絡などをメールで送信する。送信状況も管理する。 |
出荷管理 | 商品の出荷に関する管理を行う。 出荷指示や出荷実績の登録、納品書の作成などがある。出荷を取りやめる「出荷の取り消し機能」があるOMSもある |
顧客管理 | 顧客情報を管理する。登録や更新、削除などの機能がある。 アカウント管理機能とは、管理の対象者が異なる |
商品管理 | 商品に関する情報を登録、変更する。 商品番号や商品名、価格、カラーやサイズなどを管理する |
在庫管理 | 商品の入庫や出庫、在庫の引き当てなどを管理する。 倉庫ごとの在庫の数量もチェックできる。ECサイトの店舗ごとに、異なる在庫数を割り当てることも可能 |
入金・送金管理 | 商品代金の入金消込や入金督促、返品に伴う返金の管理を行う |
返品管理 | 返品業務を管理する。 返品ラベルの自動作成や返品ステータスの追跡、返金された商品の再入庫などが含まれる |
アカウント管理 | OMSを操作する担当者のアカウントを管理する。 登録や更新、削除、権限の付与などがある。 (顧客管理とは管理の対象が異なる) |
分析とレポート | 意思決定を支援する情報を提供する。 例:売上の傾向や在庫回転率、顧客の購買傾向、フルフィルメントの効率性など |
プロモーション | キャンペーンの設定や販促メール、メールマガジンの配信などを管理する |
見積管理 | 見積書の作成や閲覧、過去に作成した見積書を管理する |
OMSが必要となる3つの理由
ECサイトの運営にOMSが求められる背景は、大きく3つに分かれます。
実店舗とオンラインでの注文を統合管理したい
ショップの運営を担当する方は、以下のような要望をお持ちではないでしょうか?
- 実店舗とオンラインの注文を一括管理したい
- 複数運営しているECサイトの受注を一括管理したい
販売チャネルごとに別々のシステムにアクセスして作業をする手間を省きたいことに加えて、全体的な注文状況がどのようになっているか、実店舗とオンラインの状況を横断的に把握する目的でも、OMSの活用が求められています。
ECの販売先を増やしたいが、管理の手間を増やしたくない
「販路拡大にECを活用したい」
このような事業者も、多いのではないでしょうか?
とりわけニッチな商材を扱う事業者は、小売店舗になかなか商品を並べてもらえないこともあり、ECでの展開が顧客の増加や、売上の向上につながります。
一方で出店するECの数に比例して、管理の手間が増えることは悩みの一つです。
マンパワーが不足すれば、出店するECを絞らざるを得ません。管理の手間や人材を増やすことなく出店するECを増やし、事業規模の拡大が期待できるOMSの活用が求められています。
受注から発送までの処理をスムーズに行いたい
実店舗での販売と違い、ECでの販売は下記のようなステップを踏む必要があり、さまざまな業務フローがあります。
- 受注内容を確認する
- 受注データを加工し、倉庫に送るデータを抽出する
- 出荷データを作成する
- 発送を依頼する
手作業で行うと処理が煩雑となり、ミスも起きやすくなります。OMSは、受注から出荷までの処理を正確に効率よく行う目的でも求められています。
OMSと関連するシステムとの違い
流通業界や商品を販売する業務では、OMSのほかにもシステムが使われています。OMSとの相違点を確認していきましょう。
OMSとWMSの違い
OMSとWMS(Warehouse Management System/倉庫管理システム)はどちらも在庫を管理する機能を備えていますが、管理対象とする在庫が異なります。
システム | 管理対象 | 主な利用者 |
---|---|---|
OMS | 理論在庫 (帳簿上、またはデータ上の在庫) | EC事業者 |
WMS | 実際の在庫 (倉庫やバックヤードに存在する在庫) | 倉庫事業者 |
OMSだけで在庫数量を見ていると、「データ上では在庫があるが、倉庫に行ってみると在庫が無い」というケースがあり得ます。一方で、現物をもとに在庫数を把握しているWMSでは、このようなことは基本的に起こりません。
OMSとTMSの違い
OMSとTMS(Transport Management System/輸配送管理システム)には、カバーする業務の違いがあります。
OMSは、商品の注文から出荷管理、配送手配を行うシステムです。
TMSは、出荷から到着までを管理するシステムです。効率的に運ぶ方法の選択やトラックがどこにいるか追跡できる機能は、TMSに備わっています。
OMSとERPの違い
OMSとERP(Enterprise Resource Planning/企業資源計画)にも、相違点があります。
OMSは顧客に商品を供給する目的で、商品の販売や入金について管理するシステムです。一方でERPは、経営資源の統合管理や情報管理を目的とした手法やシステムで、以下のような業務も行います。
- 売上を経理データに反映する
- 従業員の勤怠を把握する
- 販売にかかった経費を計算する
販売業務には、OMSだけではカバーできない業務もあります。
利益がどれだけ全社の業績に寄与しているか、人件費や経費はどの程度かかっているか、従業員の勤怠状況などがERPで分析できます。
OMSで得られる4つのメリット
OMSを活用することで、貴社は4つのメリットを得られます。
①OMSで商品情報を更新すれば、すべての販売チャネルに変更が反映される
OMSで商品情報を更新することで、すべての販売チャネルに商品情報の変更や新たな商品の登録内容が反映されます。
「ECサイトA」「ECサイトB」といったECサイトごとにログインして、商品情報を登録・更新する必要はありません。複数のECサイトに出店する場合も、店舗運営が効率化され、作業時間を短縮できます。
②管理の手間と人件費を抑えながら、販路を広げられる
OMSの活用は、販路の拡大もしやすくなります。
ECサイトが増えても、管理の手間は大きく増えないためです。新たなECサイトへの出店も、管理の手間と人件費を抑えながら販路を広げ、売上と利益をアップすることが可能です。
③在庫を可視化、共通化して販売機会を逃さない
OMSの活用により、すべての販売チャネルにおける在庫数がリアルタイムで把握できます。在庫の共通化も行えるでしょう。
在庫の共通化は、「在庫はまだあるのに、ECサイトA用の在庫がなくなったので売り切れ」といった販売機会のロスを防げます。在庫があればどのチャネルでも販売できるため、販売機会の最大化と収益の向上を図ることが可能です。
④出荷先の倉庫を自動的に決定し、出荷指示を出せる
OMSを活用することで、商品の出荷をどの倉庫から行うか自動的に判定し、出荷指示を出すことが可能です。
出荷する場所の選定は、配送先の住所や商品の在庫状況、配送コストや配送効率などによって決まります。OMSにより、商品をより早く顧客に届けることが可能です。
OMSを活用するデメリット
OMSの活用は、良いことばかりとは限りません。以下のデメリットがあることにも注意が必要です。
- 一定の費用がかかる
- OMSに詳しいシステム担当者が必要
- 業務のオペレーションを見直す必要がある
- 出店先のECに対応しないOMSを選ぶと、リプレイスや手作業による連携業務の発生でコストが増える
OMSの導入や活用には、上記に挙げた項目に注意して選ぶことが重要です。
OMSの導入を成功させる5つのポイント
他のシステムと同様に、OMSを導入すれば自動的に適切な運用を行えるわけではなく、有名なシステムを選べば必ず成功できるわけでもありません。
OMSの導入を成功につなげるためには、5つのポイントを押さえて進めることが重要です。それぞれのポイントを、順に確認していきましょう。
①OMSを導入する目的と、期待できる効果を確認する
「わが社はなぜOMSを導入するのか?」この問いに応えられるよう、OMS導入の目的を明確にし、社内や部署内で共有しておくことは重要です。
また、OMSの導入を成功させるためにも、自社の課題をしっかり把握したうえで、OMSによって解決できる課題や期待できる効果を事前に検討しておきましょう。
②自社の注文数量や処理スピードに対応できるOMSを選ぶ
日々大量の注文に対応するEC運営では、貴社の注文数量をスムーズに処理できるOMSであることも選定の基準に含まれます。
「OMSを導入したが、注文がさばききれずシステム内に滞留してしまった」という事態は防がなければなりません。OMSの処理性能やスピードを、事前に確認しておくことをおすすめします。
③現場の担当者が扱いやすいシステムを選ぶ
OMSの選定には、現場の第一線で働くEC担当者が使いやすいと感じる製品を選ぶことも重要です。
OMSの扱いやすさは、業務効率と士気の向上につながります。扱いにくいOMSを導入してしまうと現場でなかなか使われず、期待する効果を得られないかもしれません。
OMSを選ぶ際には、UI(ユーザーインターフェース *)も重視しましょう。
*画面のデザインや操作性のこと
拠点が複数あったり、使用するデバイスが異なる部署間での運用も想定される場合は、スマートフォンなどモバイル端末でも扱いやすいか操作性や動作を確認しましょう。
可能であれば、早い段階で現場の担当者に候補となるOMSを試用してもらい、意見を募ることもおすすめです。
④WMSなどの他システムや、出店先のECモールと連携可能かチェックする
OMSは出店先のECモールや、WMSなど他のシステムと連携した運用ができるかどうかが成否を分けます。
必要な連携先と連携できないOMSは、期待した効率化や自動化を実現できず、貴社の業務効率を下げてしまいかねません。
不足する機能をアドオンやカスタマイズで対応すると、コストが増してしまいます。OMSを選ぶ際には、連携機能を必ずチェックしておきましょう。
近年では、APIを用いた連携が広く使われています。対応するかどうかもチェックしておくとよいでしょう。
⑤運営会社のサポート体制をチェックする
OMSを使っていると、何らかのタイミングで操作や設定でわからないことが発生します。特に本稼働直後の段階では、問い合わせる機会が多くなります。
OMSを選ぶ際には、運営会社のサポート体制もチェックしましょう。
どのような方法で問い合わせを受け付けているか、対応可能な曜日や時間を必ず確認したうえで、OMSを選ぶことをおすすめします。
OMSの活用により手間やコストをかけずに販路を広げ、売上拡大を実現できる
OMSはECを中心とした販売業務を効率化するシステムです。
労力や費用、時間のコストを下げながら、正確かつ迅速な注文処理と発送を行うことが可能です。特に複数のEC運用において効果を発揮します。「手間を増やさず販売チャネルを増やして収益を上げたい」という要望にも応えられます。
OMSの導入により、顧客満足度を上げることもできるでしょう。コスト増を抑えながら売上を伸ばし、評判も上げたい事業者はOMSの活用をご検討ください。
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