BtoB ECの市場規模や長所と短所、クローズドサイトの成功事例を解説

BtoB ECの市場規模や長所と短所、クローズドサイトの成功事例を解説

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EC(electronic commerce、電子商取引)での商品やサービスの購入が当たり前になった今、BtoCだけでなくBtoBにおいてもECサイトを活用した取引機会の拡大と顧客への利便性の提供が広まっています。

この記事では、BtoB ECの中でも企業間取引や卸売に便利なクローズドBtoB ECサイトにスポットを当てて、

  • BtoB ECの概要やBtoC ECとの違い
  • クローズドBtoB ECサイトのメリット
  • BtoB ECの成功事例

などについて解説します。

 

BtoB ECとBtoC ECの違い

BtoB EC

BtoB ECは企業同士の取引(BtoB、B2B=Business to Business)をオンラインで行うことを指します。

BtoB ECのプラットフォームにはマーケットプレイス(ASKULやモノタロウなど)や自社独自で構築するECサイトの他に、WEB受発注システムがあります。

 

WEB受発注システムは企業間取引の売り手の受注、買い手の発注を1つのプラットフォームで完結できるBtoB ECです。

取引量や条件によって顧客ごとの価格や商品を設定できるなど、BtoBならではの商慣習に合った業務管理で運用するクローズドBtoB ECが主流となっています。

 

BtoC EC

BtoC(B2C)はBusiness to Customerの略で、BtoC ECは企業が個人・一般消費者に向けて商品やサービスを販売するネットショップのことです。

BtoC ECのプラットフォームには、Amazonや楽天のようなマーケットプレイスと、DtoC(Direct to Consumer)ブランドなどが展開するECサイトがあります。

 

BtoC ECでのオンラインショッピングは私たちの暮らしに定着しており、スマートフォンの普及とともに大規模なマーケットプレイスと多種多様なECサイトがあり、2022年の日本国内のBtoC ECの市場規模は、22.7兆円となっています。(経済産業省 令和4年度電子商取引に関する市場調査)

 

BtoB ECの市場規模

BtoB EC 市場規模の推移(出典:経済産業省 令和4年度 電子商取引に関する市場調査報告書)

 

BtoB ECの市場はDXの進展や2020年以降のコロナ禍の影響を受けて、年々拡大傾向にあります。

 

経済産業省が2023年8月31日に発表した令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)報告書では、2022年の国内のBtoB EC市場規模は420.2兆円(2021年372.7兆円、2020年334.9兆円)、EC化率は37.5%(前年比1.9ポイント上昇)にも上ります。

 

取引額や取引量、取引回数の多いBtoB ECは、BtoC ECと比べると市場規模は約18倍、EC化率は約4倍になっています。

専用回線や電話回線などで運用するEDI(電子データ交換)をのぞいた市場規模はこのデータより小さくなりますが、業務の効率化や負担軽減などのメリット(後述します)がBtoB ECの市場拡大を今後も後押ししていくと予想されます。

 

市場規模EC化率
BtoB EC420.2兆円37.5%
BtoC EC22.7兆円9.13%

 

卸売、商社、メーカー向け
クラウド販売管理 DEXTRE(デクスター)

国内取引、輸出取引を取引先ごとの価格、条件でオンライン受注。在庫、納品、請求、入金までひとつながりに管理できます。
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BtoB ECサイトの機能

BtoB ECサイトは企業間のさまざまな取引、商慣習を想定した機能があり、受発注に関する業務を一元管理できます。

価格や発注できる商品、取引条件などを顧客ごとに設定できる1対1の受発注機能はBtoC ECサイトと大きく違う点です。

具体的な例として次のようなものがあげられます。

 

売り手側

  • 価格設定 ・・・ 顧客ごとの価格や取引内容に合わせた価格、掛け率、割引など多様な価格管理ができる
  • 見積り ・・・ ロット注文やカスタマイズ製品の複雑な見積りに対応した見積書の作成
  • 顧客ごとの取引条件 ・・・ 最低ロット、最低注文額、前払いの有無、掛取引、支払いサイト、関税やインコタームズなど輸出条件
  • 帳票作成 ・・・ 取引条件を反映した注文確認書、請求書、納品書、貿易書類を作成できる

 

買い手側

  • 発注オプション ・・・ パターン化した発注の自動発注や定期発注
  • 大量購入 ・・・ 少ロット・大ロットの一括購入、複数の商品でバルクパッケージの設定など
  • 承認管理 ・・・ 数量によって複数の責任者による承認が必要になるなど条件を設定できる

 

上記はあくまで一部ですが、他にも取引を管理できるさまざまな機能があります。

 

BtoB ECの種類

BtoB ECには「スモール型」と「クローズド型」の2種類があります。

利用する顧客の状態やBtoB ECの運用目的が異なっているため、自社の販売戦略に適している方の導入を検討しましょう。

 

スモール型

「スモール型」はインターネットを通じて誰でもアクセスして利用できるオープンタイプのBtoB ECサイトです。

ASKULやモノタロウなどのマーケットプレイスがスモール型に当たります。
遠方の取引先や、小口取引など既存の営業活動ではアプローチできなかった層への新規開拓など販路の拡大が運用の目的となります。

 

クローズド型

「クローズド型」は既存の得意先や審査・招待した顧客だけが利用できる、一般公開しないBtoB ECサイトです。

 

取引ができるサイトへのアクセスに制限が設けられ、ECサイト側が承認した顧客がログインしなければ閲覧したり発注することはできません。Googleなど検索エンジンの検索結果に表示されることもありません(サービス案内のページは検索結果に表示されます)。

 

新規顧客の獲得には向いていませんが、取引機会をオンラインに広げ、既存顧客とのスムーズなやり取りが可能になります。

 

クローズドBtoB ECサイトを導入する5つのメリット

クローズドBtoB ECサイトは既存顧客へのアプローチとして有効です。

特に、すでに多くの取引先を有している場合、受注業務のワークフローを改善したい場合にクローズドBtoB ECサイトを導入するメリットを活かすことができます。

 

1.顧客満足度の向上

顧客がクローズドBtoB ECサイトを利用する際は、売り手側の承認または招待が必要になります。

 

すでに取引実績のある顧客、または取引を希望している新規顧客など発注動機が明確な状態の顧客に向けて、多様な発注チャネルと利便性の高い発注環境を提供することができます。

 

また、取引実績や与信のある信頼できる顧客とのみオンライン取引ができる点もクローズド型ならではのメリットです。

 

2.顧客とオンラインで1対1の取引

クローズドBtoB ECサイトは顧客との1対1の取引が可能です。

顧客ごとに異なる価格設定や提案商品、取引条件を設けて受発注ができるほか、取引内容を競合他社に公開することなくオンライン上で取引を進めることができます。

 

キャンペーン情報やクーポンコードの配信、取引実績に応じたDMの出し分けといった関係強化の施策も、クローズドBtoB ECサイトの配信機能でコストをかけずに行えるようになり、顧客のニーズに合わせた提案や企画を個別にタイムリーに実行できます。

 

3.受注業務の効率化

受発注業務をクローズドBtoB ECサイトに切り替えることで、業務の大幅な効率化を見込めます。
販売管理システムに搭載されているクローズドBtoB ECサイトなら、受発注から在庫、納品、請求、入金まで一元管理できます。

 

例えば、顧客が商品の詳しい情報や在庫、納期などを知りたい場合、クローズドBtoB ECサイトならいつ、どこからでも確認できるようになります。電話やメールでの対応に割かれていたコストを削減できる上、担当者不在による対応遅れといった属人的な課題も解消されます。

 

顧客からの発注フォーマットが統一されることで「異なるフォーマットの発注書を手作業で自社システムに入力する」といったような煩雑な業務からも解放されます。

 

クローズドBtoB EC(または販売管理システム)を基幹システムとAPI連携すると、注文内容が自動で同期します。リアルタイムでデータの共有や移行が行われ、販売戦略に有用なデータ分析と活用につながります。

 

4.商品訴求力の向上

クローズドBtoB ECサイトを通して自社の商品をより魅力的にPRできる環境が整います。

 

例えば、WEBカタログは紙媒体よりも詳細で鮮明なイメージを数多く顧客に伝えることが可能です。

商品の使用イメージや技術紹介の動画、コンセプトムービー、質感がリアルに表現された高精細画像などリッチなビジュアルなどWEB特有の訴求は、商品への理解や期待を高められます。

 

コロナ禍を機に、アパレルやメーカーを中心にオンライン展示会、オンライン受注会をクローズドBtoB ECを使って開催する企業が増えました。

リアルでの営業活動が制限される状況でも柔軟に対応できるクローズドBtoB ECは、今後の不測の事態に選択肢として備えておきたい受注方法です。

その他にも、顧客へ商品発注を直接的に提案できる「リンク型発注」というオンライン受注の機能があります。

  1. インスタントオーダーリンク
  2. ダイナミックブランドリンク
  3. カスタマーオーダーリンク

BtoB EC上で作成した商品にひもづいた発注リンクをメールやLINE、Zoom、WEBサイトなどで共有して、顧客に商品の提案や新規訴求ができます。

クローズドBtoB ECに登録していない顧客や、個人バイヤー様からの受注機会を作り、クローズドBtoB EC内の受注と同じように販売管理が可能です。

※リンク型発注はDEXTREの機能になります。詳しくは発注リンクを作成する-ご利用マニュアルもあわせてご覧ください。

 

5.集客コストを顧客との関係強化に転換

スモール型のBtoB ECを効果的に運用するためには、広告運用をふくめたWEBマーケティングの実施が不可欠です。
WEB広告をはじめとする集客には相応の費用を投下し、結果が出るまである程度の期間が必要となる施策もあります。

 

その点、既存顧客に向けたクローズドBtoB ECは、集客のコストは必要ありません。

既存顧客へのフォローや提案、接点づくりなど継続的な取引に向けた、関係強化の施策にリソースを集中することができます。

 

クローズドBtoB ECサイトのデメリット

費用がかかる

クローズドBtoB ECサイトのデメリットとして「導入するハードルが高い」といわれます。

大手マーケットプレイスやShopifyなどBtoCのECプラットフォームは比較的低コストで導入できる反面、クローズドBtoB ECサイトはフルスクラッチで開発すると初期費用や維持費が高額になるため、中小企業にとって導入が難しい原因となっていました。

 

しかし、さまざまな業務、業種に特化した機能をそなえたクラウド(SaaS)のクローズドBtoB ECサイトが低コストで利用できるようになり、費用面の負担はかなり軽減しています。

 

新しいシステムへの移行コスト

これまでの受注業務からクローズドBtoB ECへと移行する際に、社内外に新しい取引方法が定着するまでの周知や調整、研修などが必要になります。

 

慣れるまでは社内からの抵抗も予想されます。
ツールの選定段階から、現状の課題や目的を担当者の間で共有しながら、社内外の理解と協力が得られるようコミュニケーションを重ねることが重要です。

 

また、サポート体制の充実したクローズドBtoB ECを選ぶのも、導入に失敗しないために必ずチェックしておきたいポイントです。

 

クローズドBtoB ECサイトの成功事例

では、実際にクローズドBtoB ECを導入して成功している企業の事例を見てみましょう。

3社ともに、クラウド販売管理 DEXTRE(デクスター)のクローズドBtoB EC機能を活用しながら、受発注業務の大幅な効率化を実現しています。

 

「業務効率が大幅に上がった」
「売り上げが大幅に伸びた」

という変化について、何がどう変わったのか具体的にご紹介します。

 

【事例1】コロナ渦の影響を回避してグローバルで受注を維持、効率アップ!

 

キャタピラープロデュイ様は日本、ヨーロッパ、アメリカ、中国などグローバルに事業展開をされている卸売のメンズアパレルメーカーです。

 

2020年のコロナ禍の影響で海外の展示会に参加できなくなり、国外のバイヤーへの訴求に頭を悩ませていた中、DEXTREを導入。

導入後はDEXTREのクローズドBtoB EC機能を活用して、WEB上で商品の魅力を十分に国内外のバイヤーにPRできるようになり、展示会がなくなったにも関わらず、これまで通りのオーダーの維持に成功されています。

 

展示会に割く費用的、労力的コストが大幅に減ったことに加え、「フレンズデーには顧客ごとに個人オーダー用のリンクを配布する」といったクローズドの強みをいかした施策を実行することで、売り上げの向上につながっているとのことです。

 

売り上げだけでなく、受発注に伴うミスの減少などDEXTREのクローズドBtoB EC機能による効率化を非常に高くご評価いただいております。

 

【事例2】展示会業務の生産性が大幅に向上、なくてはならないシステムに

 

国内外に複数のアパレルブランドを展開するユナイテッドアローズ様は、年4回の展示会で、バイヤーごとに異なるフォーマットで送られてくる発注書の管理が非常に煩雑になっていました。

また、コロナ禍が展示会に来場できないバイヤー様を想定して、オンライン受注が可能なシステムを探していたことがDEXTREを導入するきっかけでした。

 

導入後は、DEXTREのクローズドBtoB ECを顧客に利用してもらうことで発注フォーマットが統一化され、受注データを一元管理できるようになったことで作業効率が大幅に改善しました。

リアルタイムでのオーダーの把握、集計は生産性の向上に役立っているとのことです。

また、商品情報やイメージをオンラインで確認できるようになったため、展示会に来られない顧客からのオーダーが減ることもありませんでした。

 

DEXTREの導入から1年半が経ち、「なくてはならないシステム」と非常に高い評価をいただいております。

 

【事例3】オンライン展示会で海外販売が拡大、売上が増加

 

独自のブランドを立ち上げ、国内数十社、海外数十社に卸売りをおこなうメンズアパレルメーカーのソウミヤ様は、コロナ禍により海外への渡航が難しくなった中、国内外の顧客と効率的に取引ができるBtoB ECを探しておられました。

 

DEXTRE導入後は、オンライン展示会や輸出取引の機能を中心に、受注管理を一元化。

立体的で複雑な素材の商品が多いため、導入まではオンラインで商品の魅力を十分に伝えることができるかどうか不安を抱えておられましたが、オンライン展示会ならではの写真と動画を組み合わせるスタイルで商品のイメージをより鮮明に伝えられるように。

 

リアルな展示会だと陳列状況により見逃されていた商品も均等にPRできるようになったため、全体的な売り上げは大幅に増加しました。

 

使いやすいユーザーフレンドリーなインターフェースに加え、サポートスタッフの丁寧な対応も高くご評価いただいております。


受発注から入金まで一元管理できるクローズドBtoB ECが月額20,000円~

クラウド販売管理 DEXTRE(デクスター)はクローズドBtoB ECで受発注ができる、卸取引・輸出取引に特化した販売管理システムです。顧客様はいつでもどこからでも、DEXTREを使って商品を発注できます。

顧客様ごとに提案商品や価格、通貨などの取引条件を細かく設定して、オリジナルのWEB受注が可能です。電話やFax、Excelなどオフライン受注も、在庫や納品、請求、入金まで一つながりに管理できます。

 

DEXTREなら本記事でご紹介したようなクローズドBtoB EC機能をはじめ、商習慣に合わせた細かな設定ができるさまざまな機能を月額20,000円からお使いいただけます。

ほかにも、DEXTREには、

  • 受注データを起点に在庫、納品、請求、入金まで一元管理
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  • クローズドBtoB ECから24時間365日世界中からWEB受注
  • 取引先ごとの価格、掛け率、貿易条件など複数条件で取引
  • 輸出に必要な貿易書類をかんたん作成

など、商社、卸売、メーカーの企業様に向けて国内外のBtoBに特化した販売管理の機能が充実しています。

DEXTREは月額20,000円~、初期費用は0円で導入できます。
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