「商取引に関する文書を紙でやり取りするのは面倒なので、電子的にやり取りしたい」
EDIは、このような要望にこたえるシステムです。
一方で専用のシステムを要し、個々の端末に対して設定を行わなければならないことに、手間を感じる方も多いでしょう。
「Web-EDI」は、この課題を解決するシステムです。
この記事では、
- Web-EDIの概要とメリット・デメリット
- 他のEDIとの違い
- Web-EDIを上手に導入するポイント
を解説します。
貴社に合ったシステム構築方法を選定する際の参考に、また、貴社の業務効率化や業績アップにお役立てください。
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INDEX
Web-EDIとは?システムの概要と種類
Web-EDIは、Webブラウザやクラウドを用いて、インターネット経由で企業間の電子商取引を行うシステムです。Web-EDIでやり取りを行う代表的な文書を、以下に挙げました。
- 発注書
- 納品書
- 請求書
FAXや郵送といった方法と異なり、Web-EDIでは紙でのやり取りは不要です。
クラウドを活用すれば、従業員のパソコンに専用のソフトウェアをセットアップせずに済みます。顧客と迅速にやり取りを行えることも、代表的な魅力です。
Web-EDIは、伝票表示型(ブラウザ型)とファイル転送型の2つのタイプに分かれます。それぞれの特徴を、順に確認していきましょう。
伝票表示型(ブラウザ型)
紙の伝票と同様のイメージが、Webブラウザに表示されるWeb-EDIです。
画面の内容をもとに、注文や発注、請求内容を確認できます。担当者にとっては直感的な画面が扱いやすいタイプです。
ファイル転送型
ファイル転送型のWeb-EDIは、ファイルのやり取りをサーバーを経由して行う方法です。
サーバーにアップロードされた文書は、相手の都合の良いタイミングでダウンロードできます。文書の数が多い場合に適した方法です。
Web-EDIと他のEDIとの違い
EDIには、従来から存在するEDIと「インターネットEDI」もあります。Web-EDIとの相違点はどこにあるか、確認していきましょう。
従来のEDIとの違い
従来のEDIは1970年代から使われており、「レガシーEDI」と呼ばれる場合もあります。Web-EDIとの代表的な相違点を、以下の表にまとめました。
レガシーEDI | Web-EDI | |
---|---|---|
回線 | 電話回線やISDN、専用線 | インターネット回線 |
回線速度 | 低速 (64kbpsなど) | 高速 (1Gbpsを超えるケースもある) |
専用ソフトの要否 | 必須 (各PCにインストールする必要がある) | 不要 |
システム更新時に、 ユーザー側の端末における対応の要否 | 必須 (ソフトウェアのアップデートが必要) | 基本的には不要 |
もっともレガシーEDIでよく使われていたISDNのうち、NTT東日本・NTT西日本が提供する「INSネット」の「ディジタル通信モード」は、2024年1月にサービスを終了しました。
代替として2028年末まで、NTT東日本・NTT西日本により「切替後のINSネット上のデータ通信(補完策)」が提供されていますが、ディジタル通信モードを使う場合と比べて通信に最大4倍前後の時間を要することは難点です。
インターネットEDIとの違い
インターネットEDIは、通信手段にインターネットを用いる点がWeb-EDIとの共通点です。一方で以下の点は、Web-EDIと異なります。
- 処理の全自動化が可能
- FTPや電子メールを使うケースがある
Web-EDIを活用する4つのメリット
日々の業務でWeb-EDIを用いることにより、事業運営にさまざまなメリットが得られます。多くの法人が共通して得られる、Web-EDIの代表的な4つのメリットを紹介します。
①高速インターネット回線を用いて、受発注業務を迅速化できる
Web-EDIは光回線に代表される、高速インターネット回線を使用します。
これはレガシーEDIとの大きな違いです。スピーディーに受発注業務を行えるため、迅速な取引や顧客対応を実現できます。
②ペーパーレス化とコスト削減を実現
Web-EDIの活用により、企業間の書類をデータでやり取りできます。業務のペーパーレス化を実現できるわけです。プリントアウトして送り状を作成し、顧客に送付する必要はありません。
Web-EDIのメリットは、紙代や郵送代の節約にとどまらず、さまざまなコストを削減できます。
貴社宛ての書類はデータで保管できるため、書類の保管スペースを節約できます。オフィスのスペースを有効活用できるだけでなく、倉庫の賃借料を節減できるメリットも見逃せません。
加えてEDIと異なり、Web-EDIはバージョンアップごとに全端末に対してソフトウェアを入れ替える手間はかかりません。残業時間の削減にも貢献するでしょう。
③簡単な手順で導入できる
Web-EDIは、簡単な手順で導入できます。以下のような、煩雑な作業はいりません。
- 専用の通信回線を確保する
- 専用のソフトウェアを、従業員が使う端末に1台ずつインストールする
クラウドで提供されるWeb-EDIなら、サーバーなどの高価なハードウェアを準備する必要もありません。いくつかの設定を済ませれば利用開始できることもメリットの一つです。
④モバイル端末でも使用可、さまざまな働き方に対応できる
ブラウザで使えるWeb-EDIには、タブレット端末やスマートフォンで操作できるサービスが多数あります。
外出先でも書類をチェックでき、スピーディーな対応を実現できます。また、在宅勤務や遠隔地勤務など、テレワークにも対応できます。
Web-EDIはデメリットも確認して活用する
他のITサービスと同様に、Web-EDIにもデメリットがあります。代表的なデメリットを、以下に4つ挙げました。
- インターネット回線が利用できる状態であることが前提
- 取引先企業もWeb-EDIへの対応が求められる。自社が使うWeb-EDIとの互換性も必須
- 自社の業務ルールに合わせたカスタマイズが難しいケースも少なくない
- Web-EDI運営会社にシステムトラブルがあると、復旧まで待つ必要がある
Web-EDIを選ぶ際には上記のデメリットを許容できるか、事前に十分な検討を行うことが求められます。
Web-EDIの導入を成功させる6つのポイント
ここまでの解説で、Web-EDIへの導入意欲を高めた方も多いのではないでしょうか?
貴社でWeb-EDIの導入を成功させるためには、6つのポイントを押さえることが重要です。それぞれの内容を確認し、円滑な導入と業績アップへの寄与を実現してください。
①SaaSで提供されているWeb-EDIを活用する
これからWeb-EDIを導入するなら、SaaSで提供されているサービスの活用がおすすめです。
運営会社のWebサービス企業と契約することで、Web-EDIを利用できます。
スクラッチで開発すると開発期間が長くなり、費用も高額となりがちです。
SaaSの活用により、優れた機能を備えたWeb-EDIを短期間で導入できます。多くの企業で使われているため不具合が少ないほか、システムのセキュリティが確保されていることもSaaSを選ぶ利点です。
②通信プロトコルを確認する
Web-EDIのプロトコルは、標準化されていません。主なものでも、以下の5種類があります。
- ebXML MS
- EDIINT AS2
- JX手順
- OFTP2
- SFTP
自社のWeb-EDIで使うプロトコルが取引先で運用中のWeb-EDIに非対応の場合、Web-EDIを使ったやり取りはできません。
利用可能なプロトコルはなにかを事前に確認したうえで、取引先とデータのやり取りが可能なWeb-EDIを選びましょう。
③無料トライアルで使い勝手をチェックする
Web-EDIの導入の成否は、現場で使われるかが大きな鍵を握ります。
使い勝手の良さは、現場でWeb-EDIを扱う従業員が重視するポイントの一つであるとともに、Web-EDIが定着するかどうかを決める重要な項目です。
導入を成功させるためには、「無料トライアル」の活用がおすすめです。
現場の従業員に、導入候補となるWeb-EDIを使ってもらいましょう。使い勝手の良いWeb-EDIを選ぶことで現場に定着しやすくなり、業務効率化や業績アップなどの効果をあげやすくなります。
④取引先企業と十分な協議を行う
Web-EDIは、貴社と取引先企業の両者で使うサービスです。
導入にあたっては、取引先企業の了承が必要です。どの書類を対象とするか、仕様や利用する際のルールなど、細部にわたるまで十分な協議を行うことで導入後のトラブルを防げます。
⑤サポート体制を確認する
Web-EDIは専門家の支援を受けることで、スムーズに導入しやすくなります。
本稼働後にいつでも問い合わせ可能な窓口を求める企業も多いでしょう。次の項目を考慮してWeb-EDIを選定することがおすすめです。
- 本稼働を後押しする、充実した導入サポート
- いつでも問い合わせ可能な窓口
- 電話や電子メールだけでなく、多種多様な方法で問い合わせできること
充実したサポートは社内でWeb-EDIを利用する従業員の満足度を上げ、組織でWeb-EDIが定着しやすくなるメリットをもたらすでしょう。
⑥社内システムとの連携をチェックする
Web-EDIの導入にあたり、会計システムなど社内の他システムと連携させようとお考えの企業も多いのではないでしょうか?
導入後に連携できないことがわかると手作業が必要となり、効果や業務効率が下がってしまいます。導入効果を上げるためには、事前に社内システムと連携できるかチェックすることもおすすめです。
Web-EDIと同様の機能を備えるクラウド販売管理システムDEXTRE
国内外の卸取引に特化したクラウド販売管理 DEXTRE(デクスター)は、Web-EDIではありません。しかし、Web-EDIのように文書の作成とやり取りをインターネットを使って行えるなど、同様の効果を得られる機能が搭載されています。
- 取引先からのWEB受注(クローズドBtoB EC)
- 注文内容確認書のダウンロード
- 請求書や納品書の作成、および送付
- 在庫の出入庫、発注
- 入荷伝票の作成
上記のような業務をクラウド化して、受発注から在庫、納品、請求、入金まで販売管理業務を一元管理できます。
わざわざWeb-EDIを用意せず、一つのシステムで様さまざまな業務管理を運用できれば、システム連携の手間も省けます。豊富な機能を持つDEXTREを、ぜひご検討ください
ほかにも、DEXTREには、
- 受注データを起点に在庫、納品、請求、入金まで一元管理
- 日中英3言語23通貨で取引、画面操作
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