【IT導入補助金】不正受給の事例と悪影響やリスク、正しい受給に役立つ取り組み

【IT導入補助金】不正受給の事例と悪影響やリスク、正しい受給に役立つ取り組み

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IT導入補助金は、正しく使えば少ない出費でITツールを導入できるありがたい制度です。

 

一方で「お金をできるだけ多くもらいたい」などと欲張るあまりに不正行為に手を染めると、さまざまな不利益をこうむるおそれがあります。補助金の元は国民の税金ですから、ルールに基づいて正しく申請しなければなりません。

 

この記事ではIT導入補助金2025の制度をもとに、不正受給について事例を取り上げながら解説します。不正受給がもたらす影響や適切な受給につながる取り組みにも触れますので、正しい申請と受給にお役立てください。

 

関連記事:IT導入補助金2025まとめ|2024との違い、条件や採択率、対象経費まで徹底解説【中小企業のDX、ソフトウェア導入】

 

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IT導入補助金2025が不正受給となるケースとは?

IT導入補助金2025が不正受給となるケースは、大きく以下の2つに分けられます。

 

  • 故意により不正受給となる
  • うっかりミスで不正受給となる

 

それぞれについて、代表的な不正受給のケースをご確認ください。

 

故意により不正受給となるケース

始めから不当に高額の補助金を受け取ることを目的として、故意に不正受給を行う代表的なケースを以下に挙げました。

 

  • 使う意思のないITツールを申請する
  • ポイントやキックバックなどで得られる経済的な利益の分も、自社が支払うものとして申請する
  • 申請マイページの開設など、申請者が行うべき行為を他者に代行させる

 

上記の行為を行うと補助金の返還を要することはもちろん、悪質な場合は警察の取り調べを受けたのち、刑事事件として立件されるおそれもあります。

 

うっかりミスで不正受給となるケース

IT導入補助金2025では、うっかりミスが原因で不正受給と扱われるおそれがあることにも注意してください。代表的なケースを、以下に示します。

 

  • 補助対象経費を、他の補助金と二重計上してしまう
  • 過去に申請した補助金や助成金をチェックせず、同じ内容で申請してしまう
  • ITツールの名称を誤り、別のITツールで申請してしまう
  • ITツールの金額を誤る(1桁多く記載するなど)

 

不正受給の結果は重大です。誤りが無いよう、十分なチェックが必要です。

 

IT導入補助金の不正受給は見つかる!4つの事例を紹介

IT導入補助金は、給付後にIT導入補助金事務局(以下「事務局」と略)や会計検査院などによる調査が行われます。不正な方法で受給した場合は、この段階までに見つかる仕組みです。

 

会計検査院は、不正受給の実例を公表しています。
そのなかから4つの例を取り上げますので、どのような行為が不正受給とされたかをご確認ください。
出典:会計検査院「独立行政法人中小企業基盤整備機構」

 

【事例1】 そもそもITツールを導入していなかった

建築業を営むA社は、事務局に登録済みの「物件情報自動発信システム」を導入するとして2021年度にIT導入補助金の申請を行いました。交付された補助金の額は、1,226,666円です。

 

その後に会計検査院が調査したところ、A社に「物件情報自動発信システム」は導入されていませんでした。

 

代わりにITツールとして事務局に登録されていない、ホームページ制作等の役務の提供を受けていました。そもそも申請したITツールの導入を行っていなかったことが、不正受給となった理由です。

 

【事例2】 導入したITツールの利用を始めていなかった

美容業界のB社は2022年度にIT導入補助金の申請を行い、350万円の交付を受けました。

これは顧客からのメッセージに対して自動応答する機能などを備えたシステムで、事業費は5,687,000円となっていました。

 

2023年11月に会計検査院が実地検査したところ、B社は2022年度に導入したITツールの利用を始めていなかったため、不正受給となりました。

 

【事例3】 値引き前の金額を事業費として申請した

個人事業主Cは以下のITツールを導入するとして、2021年度と2022年度にIT導入補助金を受け取っていました。

 

  • ECサイト
  • クラウド型の会計ソフト

 

年度ごとの事業費と受け取った補助金、個人事業主Cの自己負担額は以下のとおりです。

年度2021年度2022年度合計
事業費489万7,200円571万7,800円1,061万5,000円
交付された補助金296万8,000円350万円646万8,000円
自己負担額192万9,200円221万7,800円414万7,000円

 

Cは個人事業主ですから、事業費と補助金の差額である4147,000円を自己の資産で負担しなければなりません。しかし、CはIT導入支援事業者より送金を受けるなどの方法で、以下の利益を受けていました。

 

  • 自己負担額すべてを、実質的に負担しない
  • 合計300万円の実質的な還元を受けていた

 

Cは「ただでITツールを使えて、お金ももらえる」と思っていたかもしれませんが、会計検査院の調査により不正受給となりました。

 

【事例4】 事業計画期間内にITツールを解約した

食品卸などを営むD社は、ECサイトへの出店等のITツールを導入するとして、2020年にIT導入補助金を受け取っていました。

事業費は660万円、交付された補助金は450万円でした。また事業計画期間は、2021年4月1日から2024年3月31日となっていました。

 

一方でD社は、導入したECサイト等を2023年11月までにすべて解約していました。このことを理由に、不正受給となりました。

 

IT導入補助金の不正受給が見つかった場合、事業にもたらす6つの悪影響

IT導入補助金の不正受給が発覚すると、さまざまな不利益をこうむることになります。

 

これから解説する6つの項目は、いずれも事業に大きな悪影響をもたらす項目です。どのような悪影響があるか、詳しく確認していきましょう。

 

①受給済みの補助金は加算金を加えて返還しなければならない

IT導入補助金の不正受給が発覚し補助金の交付決定が取り消された場合、受給済みの補助金は返還する必要があります。返還は、事務局が指定する日までに行わなければなりません。

 

返還額には、補助金を受け取った日から起算して年10.95%の加算金も加えられます。

 

もし事務局が指定する日までに返還できなかった場合は、返還していない額に年10.95%の延滞金を加えなければなりません。

 

②自社のキャッシュフローが悪化する

IT導入補助金の不正受給を行った会社は、突然多額の支払を要求されるわけです。

必然的に手持ちの現金や普通預金といった、すぐに換金できる資産は減少するでしょう。

 

売掛金や不動産などの資産がたくさんあっても手元の資金が少ないと、資金ショートに陥るおそれもあります。借り入れやファクタリングの活用を余儀なくされるかもしれません。

 

③社名が公表されるおそれがある

自社がIT導入補助金の不正受給を行った事実が、社会に公表されることも見逃せないリスクです。

実際に会計検査院は、不正受給を行った社名を公表していることに留意してください。

 

いまは事業運営にあたり、法令遵守が求められる時代です。

もし取引先に不正受給の事実を知られると、今後の取引に悪影響をもたらしかねません。受注量の削減や売上の減少は、十分に考えられる事態です。

 

④経営成績が悪くなる

すでに解説したとおり、不正受給は以下の事態を招くおそれがあります。

 

  • 多額の返還を要求されることによる、キャッシュフローの悪化
  • 取引先による、取引の打ち切りや数量の削減

 

収入が減少し支出が増えれば、おのずと経営成績も悪くなります。

 

これまで黒字経営を続けていた企業も、影響の程度によっては赤字に転落するかもしれません。不正受給はいっときの利益を得ることはできても、長期的には業績の長期低迷を招くおそれがある点で不適切な手段といえます。

 

⑤今後の補助金や助成金を申請できなくなる

IT導入補助金2025の公募要領(通常枠)には、「申請の対象外となる事業者」に「他の補助金等において不正行為等を行った事業者」が含まれています。

 

もし不正受給を行った場合、社内で不正受給を防ぐ取り組みを万全に行ったとしても、今後のIT導入補助金は申請できません。加えて、他の補助金や助成金を申請できなくなるおそれもあります。

 

⑥新たな設備投資が抑制され、競争に不利となる

不正受給は手元の資金が減少し、収入も減り、補助金や助成金を申請できないという、3つの深刻なリスクを招くおそれがあります。

 

資金の余裕が無ければ、新たな設備投資を抑制せざるを得ないでしょう。

 

設備投資の抑制は、生産性や品質、安全性が競合他社よりも劣る事態を招きます。「より良い製品をより安く提供する」ことを行いにくくなるわけですから、競争に不利となるでしょう。

 

さらなる売上や利益の低下を招き、設備投資をさらに抑制するという悪循環に陥りかねません。

 

不正受給を防ぐ7つの心得や取り組み

将来にわたり安定した事業運営を続けるうえで、不正受給はぜひとも防ぎたいものです。

ここからは、不正受給を防ぐ7つの心得や取り組みを解説します。

 

①「国民の貴重な税金を頂いている」という認識を持つ

令和は、国家財政の無駄に対する世論が厳しい時代です。これは補助金や助成金も例外ではありません。

 

そもそも補助金の財源は、個人や企業が納めた税金です。補助金を受け取って営む事業は、税金を有効活用するものでなければなりません。

 

企業がIT導入補助金を申請する場合は、あらかじめ「国民の貴重な税金を頂いている」という認識を持つことが重要です。社会への貢献や事業の成功を念頭に置き、事業を進めましょう。

 

②自社で行うべき申請業務は自社で行う

IT導入補助金では申請する企業が自ら行うべき項目と、IT導入支援事業者が行うべき項目が分けられています。

 

自社で行うべき申請業務は、自社で行いましょう。

「申請マイページの開設」は、代表例に挙げられます。自社で行うべき申請業務を他者が代わりに行うことは「なりすまし行為」とみなされ、不正行為となりますので注意してください。

 

③過去に受給した補助金や助成金をチェックする

すでに受給済みの補助金や助成金のチェックも、ぜひ行ってください。

 

過去に補助金や助成金を受け取っていた場合、同じ内容でIT導入補助金2025を申請し補助金を受け取ることはできません。もし補助金を受け取ると、不正受給になります。

 

④実際に支出する金額に基づき申請する

IT導入補助金は、申請者が実際に支出する金額に基づき申請する必要があります。購入額を証明する証憑と、実質的な支払額は一致しなければなりません。

 

以下に挙げる方法は申請者が経済的な利益を得る目的で用いられる手段ですが、これらの利用を隠して申請することは不正行為ですので行わないようにしましょう。

 

  • ポイントの付与
  • クーポンを使った値引き
  • 購入額の一部を、後日申請者に払い戻す

 

⑤申請したITツールは必ず業務で活用する

補助金の申請にあたりITツールを明記した場合は、そのITツールを使うことを条件として補助金が交付されます。

 

申請したITツールは、必ず業務で活用しましょう。

会計検査院などが調査を行った際にITツールの不使用が発覚すると、不正受給になってしまいます。

 

⑥導入したソフトウェアを他者に供与しない

IT導入補助金2025では、補助金を活用して取得したソフトウェアについて、他者への供与を認めていません。自社でしっかり使い切りましょう。

 

もし他者への供与が発覚すると不正受給となり、補助金の返還を求められてしまいます。

 

⑦記入漏れや記入ミスが無いかチェックする

ここまで解説したとおり、IT導入補助金2025では補助金の不支給、また不正受給となる項目が多数あります。申請する際には、記入漏れや記入ミスが無いことを確認しましょう。

 

特に製品名や金額には誤りが無いか、必ず確認してください。

「桁数を1つ多く申請してしまった」という場合でもミスが許されず、補助金の不支給や不正受給とみなされるおそれがあることに注意が必要です。

 

IT導入補助金2025は正しく申請し、業績のアップと貴社の発展につなげよう

補助金の不正受給を行うと、今後の設備投資や従業員の待遇改善などに悪影響があります。以後の補助金を申請できなくなることは、他社との競争で不利になるためです。業績を押し下げる要因にもなるでしょう。

 

一方で正しく申請し受給すれば、業績のアップや貴社の発展につながります。

成長のスピードを止めないためにも、IT導入補助金2025の申請において欲張ることは禁物です。金額を正しく計算し、正しく申請しましょう。

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